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.NET 6.0 ASP.NET Identity に MySQL 使用 (CORE)

by WebSurfer 2021年11月27日 13:53

先の記事「ASP.NET Identity で MySQL 利用 (CORE)」に、ASP.NET Core 3.1 MVC アプリで ASP.NET Identity のユーザー情報のストアに MySQL を利用するにはどうするかということを書きましたが、その Visual Studio 2022 + .NET 6.0 版です。

先の記事と違うのは、Visual Studio Community 2022 のテンプレートを使って .NET 6.0 でプロジェクトを作ったところと、非推奨になった NuGet パッケージ MySql.Data.EntityFrameworkCore に代えて Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql を使ったところです。

先の記事で使った MySql.Data.EntityFrameworkCore は非推奨になったので、まずその代替えの Oracle 製 MySql.EntityFrameworkCore を使おうと思いましたが、この記事を書いた時点での最新バージョンが 5.0.8 で .NET 6.0 には対応してなさそうです。6.0.0-preview3.1 というのがありましたがプレビュー版ですし、依存関係が net5.0 と書いてあったので使うのは止めました。(一応 5.0.8 を試してみましたが Add-Migration に失敗します。さらに後日 6.0.1 も試しましたがやはり Add-Migration に失敗します)

Oracle は Entity Framework 対応は積極的ではなさそうな感じです。一方、Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql はこの記事を書いた 2021/11/27 時点でバージョン 6.0.0 がすでにリリースされていましたので、この記事ではそれを使ってみました。

結果、Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql バージョン 6.0.0 で一切支障なく ASP.NET Identity 用の MySQL データベースを構築できました。Oracle にはあまり期待しない方が良いのかも。

(1) プロジェクトの作成

Visual Studio 2022 のテンプレートを利用して .NET 6.0 の ASP.NET MVC アプリを作成します。「追加情報」の設定で[認証の種類(a)]は必ず「なし」としてください。

新しいプロジェクトの作成

(2) ASP.NET Core Identity の実装

ASP.NET Core Identity はスキャフォールディング機能を使って実装しますが、その前に、NuGet で Microsoft.VisualStudio.Web.CodeGeneration.Design をインストールします。

Web.CodeGeneration.Design

その後で Microsoft のドキュメント「ASP.NET Core プロジェクトでの Identity のスキャフォールディング」を参考に ASP.NET Core Identity を実装します。

ID の追加

レイアウトページはステップ (1) で生成したプロジェクトのレイアウトページ ~/Views/Shared/_Layout.cshtml を設定します。

ASP.NET Core Identity 関係のすべてのファイルを取り込むため[すべてのファイルをオーバーライド]にチェックを入れます。

コンテキストクラス名、エンティティクラス名は任意ですが、この記事では ApplicationDbContext, ApplicationUser としました。 何故かデザイナの + ボタンをクリックすると現れるダイアログのテキストボックス内で名前を設定しないとダメなので注意してください。また、エンティティクラス名を設定する際、コンテキストクラス名と同じ名前空間を追加しないと、コンテキストクラスと異なる名前空間になり、後で面倒なことになるので注意してください。

その後、追加した ASP.NET Core Identity 関係の Razor ページが働くよう、以下の追加・修正を行います。Visual Studio 2022 + .NET 6.0 で作ったプロジェクトでは Stratup.cs は無くなっていますので注意してください。サービス、ミドルウェア追加のためのコードは Program.cs に移すことにしたらしいです。

  1. Program.cs に builder.Services.AddRazorPages(); を追記。
  2. Program.cs の app.MapControllerRoute(name: "default", ... ); を書き換えて endpoints.MapRazorPages(); を追加。(これが無いと Razor ページのルーティングが働かないので必須)
  3. Areas/Identity/Page/Account/Manage/ の _Layout.cshtml で Layout = "/Views/Shared/_Layout.cshtml"; に変更。
  4. Views/Shared/_Layout.cshtml に <partial name="_LoginPartial" /> を追加。

(3) Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql

NuGet で Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql バージョン 6.0.0 をインストールします。

Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql

先の記事で使った MySql.Data.EntityFrameworkCore は非推奨になってました。 代替えパッケージが MySql.EntityFrameworkCore とのことですので、まずそれの最新リリース版 5.0.8 を試してみたのですが、Add-Migration で以下のエラーとなります。

"Method 'AppendIdentityWhereCondition' in type 'MySql.EntityFrameworkCore.MySQLUpdateSqlGenerator' from assembly 'MySql.EntityFrameworkCore, Version=5.0.8.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=c5687fc88969c44d' does not have an implementation."

Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql には上の画像の通りバージョン 6.0.0 (.NET 6.0 用) がありますのでそれを使ってみたところ、Add-Migration, Update-Database で問題なくデーターベースを生成できました。

 

(4) 接続文字列の変更

テンプレートで自動生成された接続文字列は appsetteins.json にありますが、それは LocalDB を利用するように設定されていますので、MySQL に接続するように変更します。以下の例を見てください。

接続文字列の変更

例えば、上の画像のように database=coreidentity2 とデータベース名を指定すると、Entity Framework Code First の機能を使って coreidentity2 という名前のデータベースを新たに生成し、そこに必要なテーブルを生成してくれます。

(5) Program.cs の修正

自動生成されれた Program.cs ファイルで、サービス登録のコードが SQL Server を使うように設定されていますが、これを MySQL を使うように変更します。以下のような感じです。

サービス登録の変更

Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql を使う場合、UseMySQL ではなくて UseMySql であること、引数が異なることに注意してください。詳しくは Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql の「2. Services Configuration」のコードを見てください。

(6) プロジェクトのリビルド

ここで一旦プロジェクトをリビルドします。リビルドには成功するはずですが、以下の通り警告が 6 つ出ると思います (現時点での話で将来改善されるかも)。

プロジェクトのビルド

上の 2 つは LoginWith2fa.cshtml.cs での using 句のダブり、残り 4 つは NULL 許容参照型がプロジェクト全体で有効化されているものの一部の .cshtml ファイルのソースコードがそれに対応してないことによります。そこを直してもう一度リビルドします。

(7) Add-Migration の実行

パッケージマネージャーコンソールから Add-Migration CreateIdentitySchema を実行します (CreateIdentitySchema という名前は任意です)。

Add-Migration を実行

上の画像で赤色で反転された文は MySql.EntityFrameworkCore バージョン 5.0.8 を使って失敗した結果のメッセージです。その下が Pomelo.EntityFrameworkCore.MySql バージョン 6.0.0 を使って成功した結果です。

Migrations と言う名前のフォルダとその中に xxxxx_CreateIdentitySchema.cs というファイルが生成されているはずですので確認してください。ファイル名の xxxxx は作成時のタイムスタンプ、CreateIdentitySchema は Add-Migration コマンドで指定した名前です。

(8) Update-Database の実行

次に Update-Database を実行し、Entity Framework Code First の機能を利用して MySQL にデータベース / テーブルを作成します。成功すると、以下のようにデータベースと、必要なテーブルが一式生成されます。coreidentity2 というデータベース名は、上のステップ (4) で接続文字列に指定したものになります。

MySQL データベース

先の記事で問題となった"Specified key was too long; max key length is 3072 bytes" という制約のためエラーになるということはなかったです。

データベース / テーブルは CreateIdentitySchema.cs ファイルのコードに基づいて生成されるのですが、先の記事では主キーの長さが指定されてなかったところが、以下のように varchar(255) に指定されています。

CreateIdentitySchema.cs

utf8mb4 を使用していますので、主キーに設定された varchar(255) は 255 x 4 = 1,020 バイトになります。連結主キーでも制限の 3,072 より小さいので問題ないということのようです。

その後で Visual Studio から MVC アプリを起動しユーザー登録できます。登録したユーザーは上の手順で作成した MySQL データーベースに反映され、登録した ID とパスワードでアプリにログインできるようになります。

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CORE

画像をアップロードして SQL Server に保存 (CORE)

by WebSurfer 2021年11月24日 14:51

画像ファイルをタイトルと説明の文字列と共にアップロードし、サーバ側でサムネイル画像を作成してタイトル・説明・サムネイル画像・オリジナル画像を一式 SQL Server データベースに保存するサンプルを書きます。

一覧の表示

上の画像はアップロードして SQL Server に保存されたタイトル、説明、サムネイル画像を取得して一覧にして表示したものです。(オリジナル画像を表示してないのは一覧表に表示するのは大きすぎるからという理由だけです)

以下に、Entity Framework Code First の機能を使っての SQL Server データベースの作り方、一覧の表示、アップロード、編集、削除機能を実装した ASP.NET Core MVC アプリの作り方を述べます。

(保存先をデータベースではなく Web サーバーの特定のフォルダにファイルとして保存する場合は別の記事「ASP.NET Core MVC でファイルアップロード」に書きましたので、興味がありましたらそちらを見てください)

ベースに使ったプロジェクトは、先の記事「Visual Studio 2022 の ASP.NET MVC アプリ」に書いた Visual Studio 2022 で作成した .NET 6.0 の ASP.NET Core MVC アプリです。それに以下のように機能を追加します。

(1) Model

アップロードの際に Controller と View の間でデータのやり取りをするための View Model と、Entity Framework を使って SQL Server データベースとのデータのやり取りをするエンティティクラスを作ります。この記事では以下のようにしました (ファイル名とか MIME タイプ情報なども保持したいかもしれませんが、それはまた別の機会に)。

#nullable disable

using System.ComponentModel.DataAnnotations;

namespace MvcCore6App.Models
{
    // View Model
    // アップロードの際 Controller/View 間でデータのやり取りをする
    public class FileUploadViewModel
    {
        [Display(Name = "タイトル")]
        [Required(ErrorMessage = "{0} は必須")]
        [StringLength(25, ErrorMessage = "{0} は {1} 文字以内")]
        public string Title { get; set; }

        [Display(Name = "説明")]
        [StringLength(250, ErrorMessage = "{0} は {1} 文字以内")]
        public string Description { get; set; }

        [Display(Name = "ファイル")]
        [Required(ErrorMessage = "{0} は必須")]
        public IFormFile PostedFile { get; set; }
    }

    // エンティティクラス
    // SQL Server データベースとのデータのやり取りをする。また、
    // これをベースに EF Code First でデータベースを生成する
    public class FileEntity
    {
        public int Id { get; set; }

        [Display(Name = "タイトル")]
        [Required]
        [StringLength(25)]
        public string FileName { get; set; }

        [Display(Name = "説明")]
        [StringLength(250)]
        public string Description { get; set; }

        [Display(Name = "サムネイル画像")]
        [Required]
        public byte[] ThumbImage { get; set; }

        [Required]
        public byte[] OriginalImage { get; set; }
    }
}

Visual Studio 2022 で作成した .NET 6.0 の ASP.NET Core MVC アプリでは NULL 許容参照型がプロジェクト全体で有効化されていますので、警告を抑制するため #nullable disable を付与しています。下のコードでも必要に応じてそのようにしています。

(2) コンテキストクラス

Entity Framework を使って Controller と SQL Server データベースとの間でデータをやり取りするためのコンテキストクラスを定義します。この記事では以下のようにしました。

#nullable disable

using MvcCore6App.Models;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;

namespace MvcCore6App.Data
{
    public class FileContext : DbContext
    {
        public FileContext(DbContextOptions<FileContext> options) : base(options)
        {
        }

        public DbSet<FileEntity> Files { get; set; }

        protected override void OnModelCreating(ModelBuilder modelBuilder)
        {
            modelBuilder.Entity<FileEntity>().ToTable("File");
        }
    }

(3) Program.cs にサービスの追加

上記 (2) で定義したコンテクストクラスのインスタンスを Controller のコンストラクタ経由で DI できるようにするため、Program.cs に AddDbContext メソッドを使ってサービスの追加を行います。以下のコードで「// これを追加」とコメントした部分です。

using Microsoft.AspNetCore.Identity;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;
using MvcCore6App.Data;
using MvcCore6App.Areas.Identity.Data;

var builder = WebApplication.CreateBuilder(args);

var connectionString = builder.Configuration
    .GetConnectionString("ApplicationDbContextConnection");

builder.Services.AddDbContext<ApplicationDbContext>(options =>
    options.UseSqlServer(connectionString));

builder.Services.AddDefaultIdentity<ApplicationUser>(options => 
    options.SignIn.RequireConfirmedAccount = true)
    .AddEntityFrameworkStores<ApplicationDbContext>();

// これを追加
builder.Services.AddDbContext<FileContext>(options =>
    options.UseSqlServer(connectionString));

// Add services to the container.
builder.Services.AddControllersWithViews();

// ・・・後略・・・

(4) SQL Server データベース作成

上に定義したエンティティクラスとコンテクストクラスをベースに Migration 操作を行って SQL Server データベースを生成します。

SQL Server データベース

具体的には、Visual Studio のパッケージマネージャーコンソールで Add-Migration, Update-Database コマンドを実行すれば、Entity Framework Code First の機能によって、上の画像のようなデータベースが生成されます。

なお、上の (3) で接続文字列を appsettings.json に既存の ASP.NET Identity 用の "ApplicationDbContextConnection" にしていますので、ASP.NET Identity のユーザー情報のストア用のデータベースに File テーブルが追加されます。別のデータベースとして作成したい場合は接続文字列を変更してください。

(5) サムネイル作成用ユーティリティ

オリジナル画像を指定したサイズに縮小したサムネイル画像を作成するユーティリティクラスを定義します。

今回は以前に作成した .NET Framework の Windows アプリ用のコードを流用したのですが、それは Windows OS の GDI+ に依存する System.Drawing 名前空間のグラフィックス機能を利用しています。

.NET Core では特定の OS に依存する機能は Visual Studio のテンプレートで作るプロジェクトには含まれてないようで、利用するには NuGet パッケージ System.Drawing.Common をインストールする必要があります。

System.Drawing.Common

Windows OS の GDI+ に依存するということで Linux 上で動かすと例外が出て動かないとのことですが、それを解決するために libgdiplus というライブラリがあるそうです。(未検証・未確認です)

NuGet パッケージ System.Drawing.Common をインストールしても CA1416 警告が出ますが、#pragma warning disable CA1416 を追記して警告を抑制しました。コードは以下の通りです。

#pragma warning disable CA1416

using System.Drawing;
using System.Drawing.Drawing2D;
using System.Drawing.Imaging;

namespace MvcCore6App.Utils
{
    public class ImageUtils
    {
        const int sizeThumb = 69;   // thumbimage のサイズ(縦横同じ)
        const int sizeLarge = 400;  // largerimage のサイズ(横幅)

        // sizeThumb で指定されたサイズのサムネイルを作る。
        // オリジナルの縦横比は保たれる(高さ or 幅の大きい方が sizeThumb になる)
        public static byte[] MakeThumb(byte[] fullsize)
        {
            // ・・・省略・・・
        }

        // 引数 newWidth, newHeight で指定されたサイズのサムネイルを作る。
        // 縦横で縮小率が異なる場合変形されないよう大きい方をトリミングして縮小
        public static byte[] MakeThumb(byte[] fullsize, int newWidth, int newHeight)
        {
            using (MemoryStream ms1 = new MemoryStream(fullsize))
            using (Image iOriginal = Image.FromStream(ms1))
            {                                
                // オリジナル/サムネイルの縦横のサイズ比
                double scaleW = (double)iOriginal.Width / (double)newWidth;
                double scaleH = (double)iOriginal.Height / (double)newHeight;

                // オリジナル画像をトリミングするための Rectangle 作成
                Rectangle srcRect = new Rectangle();

                if (scaleH == scaleW)  // 縦横同じ⇒トリミングなし
                {
                    srcRect.Width = iOriginal.Width;
                    srcRect.Height = iOriginal.Height;
                    srcRect.X = 0;
                    srcRect.Y = 0;
                }
                else if (scaleH > scaleW) // 縦 > 横 ⇒ 縦のみトリミング
                {
                    srcRect.Width = iOriginal.Width;
                    srcRect.Height = Convert.ToInt32((double)newHeight * scaleW);
                    srcRect.X = 0;
                    srcRect.Y = (iOriginal.Height - srcRect.Height) / 2;
                }
                else   // 縦 < 横 ⇒ 横のみトリミング
                {
                    srcRect.Width = Convert.ToInt32((double)newWidth * scaleH);
                    srcRect.Height = iOriginal.Height;
                    srcRect.X = (iOriginal.Width - srcRect.Width) / 2;
                    srcRect.Y = 0;
                }

                using (Image iThumb = new Bitmap(newWidth, newHeight))
                using (Graphics g = Graphics.FromImage(iThumb))
                {
                    g.InterpolationMode = InterpolationMode.HighQualityBicubic;
                    Rectangle destRect = new Rectangle(0, 0, newWidth, newHeight);
                    g.DrawImage(iOriginal, destRect, srcRect, GraphicsUnit.Pixel);

                    using (MemoryStream ms2 = new MemoryStream())
                    {
                        iThumb.Save(ms2, ImageFormat.Jpeg);
                        return ms2.GetBuffer();
                    }
                }
            }
        }

        // 幅のみ指定してサムネイルを作る。高さは幅と同じ縮小率で縮小。
        public static byte[] MakeThumb(byte[] fullsize, int maxWidth)
        {
            // ・・・省略・・・
        }
    }
}

引数 fullsize のバイト列が有効なイメージ形式でないと Image.FromStream で例外が��ローされます。一応 png と jpeg 形式は問題ないのは確認しましたが、その他はチェックはしてないので注意してください。戻り値のサムネイル画像のバイト列は jpeg 形式になります。

(6) Controller / Action Method

SQL Server のレコード一覧の表示、アップロード、編集、削除を行うための Controller のコードは以下のようにしました。

using Microsoft.AspNetCore.Mvc;
using MvcCore6App.Data;
using MvcCore6App.Models;
using MvcCore6App.Utils;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;

namespace MvcCore6App.Controllers
{
    public class FileController : Controller
    {
        private readonly FileContext _context;

        public FileController(FileContext context)
        {
            _context = context;
        }

        public async Task<IActionResult> Index()
        {
            var fileContext = _context.Files;
            return View(await fileContext.ToListAsync());
        }

        public async Task<IActionResult> GetThumb(int? id)
        {
            if (id == null)
            {
                return NotFound();
            }

            var file = await _context.Files
                .FirstOrDefaultAsync(m => m.Id == id);

            if (file == null)
            {
                return NotFound();
            }

            return File(file.ThumbImage, "image/jpeg");
        }


        public IActionResult Upload()
        {
            return View();
        }

        [HttpPost]
        [ValidateAntiForgeryToken]
        public async Task<IActionResult> Upload(FileUploadViewModel model)
        {
            if (ModelState.IsValid)
            {
                using (var memoryStream = new MemoryStream())
                {
                    await model.PostedFile.CopyToAsync(memoryStream);

                    // Upload the file if less than 2 MB
                    if (memoryStream.Length < 2097152)
                    {
                        var byteArray = memoryStream.ToArray();
                        var file = new FileEntity()
                        {
                            FileName = model.Title,
                            Description = model.Description,
                            ThumbImage = ImageUtils.MakeThumb(byteArray, 70, 70),
                            OriginalImage = byteArray
                        };

                        _context.Files.Add(file);

                        await _context.SaveChangesAsync();
                    }
                    else
                    {
                        ModelState.AddModelError("PostedFile", "サイズは 2MB 以下");
                        return View(model);
                    }
                }

                return RedirectToAction("Index");
            }

            return View(model);
        }

        public async Task<IActionResult> Edit(int? id)
        {
            if (id == null)
            {
                return NotFound();
            }

            var file = await _context.Files.FindAsync(id);
            if (file == null)
            {
                return NotFound();
            }
            return View(file);
        }

        [HttpPost, ActionName("Edit")]
        [ValidateAntiForgeryToken]
        public async Task<IActionResult> EditPost(int? id)
        {
            if (id == null)
            {
                return NotFound();
            }

            var fileToUpdate = await _context
                                     .Files
                                     .FirstOrDefaultAsync(f => f.Id == id);

            if (fileToUpdate != null)
            {

                if (await TryUpdateModelAsync<FileEntity>(
                    fileToUpdate,
                    "",
                    f => f.FileName, f => f.Description))
                {
                    await _context.SaveChangesAsync();
                    return RedirectToAction("Index");
                }

            }
            return View(fileToUpdate);
        }

        public async Task<IActionResult> Delete(int? id)
        {
            if (id == null)
            {
                return NotFound();
            }

            var file = await _context.Files
                .AsNoTracking()
                .FirstOrDefaultAsync(f => f.Id == id);

            if (file == null)
            {
                return NotFound();
            }

            return View(file);
        }

        // POST: Students/Delete/5
        [HttpPost, ActionName("Delete")]
        [ValidateAntiForgeryToken]
        public async Task<IActionResult> DeleteConfirmed(int id)
        {
            var file = await _context.Files.FindAsync(id);

            if (file == null)
            {
                return RedirectToAction("Index");
            }

            _context.Files.Remove(file);
            await _context.SaveChangesAsync();
            return RedirectToAction("Index");
            
            
        }
    }
}

Upload メソッドは Microsoft のドキュメント「バッファー モデル バインドを使用して小さいファイルをデータベースにアップロードする」を参考にしました。Action Method と View の間のデータのやり取りにはビューモデル FileUploadViewModel を使用し、それをエンティティクラス FileEntity に移し替えるとともにサムネイル画像を追加し SQL Server データベースに保存しています。

アップロードするファイルの検証については、アップロードする時点でのファイル選択の有無とサーバー側でのサイズのチェックしか行っていません。Microsoft のドキュメント「ASP.NET Core でファイルをアップロードする」の「セキュリティに関する考慮事項」のセクションに書かれたセキュリティ関する配慮はしていませんので注意してください。

先の記事「ファイルアップロード時の検証 (CORE)」に、ASP.NET Core. 3.1 MVC アプリでファイルをアップロードする際に、カスタム検証属性を利用してファイルのサイズとタイプをクライアント側とサーバー側の両方で検証し、検証結果 NG の場合はエラーメッセージを表示する方法を書きましたので、興味があれば見てください。

Edit / EditPost メソッドではタイトルと説明のみ編集して結果を SQL Server データベースに反映するようにしました。画像の差し替えは上のコードではできません (画像を差し替えるなら、削除してから新たに Upload し直した方が良いと思いましたので)。

タイトルと説明のみ変更するため TryUpdateModelAsync メソッドを使っているところに注目してください。よくあるパターンとしては、上の EditPost メソッドの引数に ビューモデル FileUploadViewModel を使ってそれにモデルバインドということをすると思いますが、画像データはアップロードされてこないところが問題です。

上の EditPost メソッドのコードでは、既存のエンティティを読み取り、TryUpdateModel を呼び出してポストされたタイトルと説明からフィールドを更新しています。既存のエンティティの読み取りによって画像データも取得されるので、その上でタイトルと説明だけを変更して SaveChanges を適用するので画像データが消えることはないです。

TryUpdateModelAsync メソッドについては Microsoft のチュートリアルの「HttpPost Edit メソッドの更新」が参考になると思いますので興味があれば見てください。

GetThumb メソッドは、DB からサムネイル画像を取得してダウンロードするためのメソッドです。この記事の一番上の一覧表示の画像ようにサムネイルを表示するために使います。View に img 要素を配置し、その src 属性に GetThumb メソッドを設定することによりサムネイル画像が表示されます。

src 属性に GetThumb メソッドを設定するということは、ブラウザはそこで GetThumb メソッドを呼んでデータベースからデータを取得してくるという動きになることに注意してください。特にこの記事の一番上の画像のように一覧表示する場合はレコードの数だけ GetThumb メソッドが呼ばれることになります。

それを避けるのは、アクションメソッドですべてのデータを Model として View に渡し済みですので、View で Model に含まれる画像のバイト列を Data URL 形式に変換して src 属性に設定することにより可能です。その例は下の「(7) View」のセクションの Index.cshtml に書きます。ただし、そのようにした場合はブラウザはその画像をキャッシュできないことに注意してください。

(7) View

Index.cshtml, Upload.cshtml, Edit.cshtml, Delete.cshtml のコードをその順に以下に記載しておきます。Index.cshtml と Delete.cshtml には上のコントローラーのコードの GetThumb メソッドを使ってサムネイル画像を表示するようにしています。

Index.cshtml

@model IEnumerable<MvcCore6App.Models.FileEntity>

@{
    ViewData["Title"] = "Index";
    Layout = "~/Views/Shared/_Layout.cshtml";
}

<p>
    <a asp-action="Upload">Uoload New</a>
</p>
<table class="table">
    <thead>
        <tr>
            <th>
                @Html.DisplayNameFor(model => model.FileName)
            </th>
            <th>
                @Html.DisplayNameFor(model => model.Description)
            </th>
            <th>
                @Html.DisplayNameFor(model => model.ThumbImage)
            </th>
            <th></th>
        </tr>
    </thead>
    <tbody>
@{
#nullable disable
    foreach (var item in Model) {
        <tr>
            <td>
                @Html.DisplayFor(modelItem => item.FileName)
            </td>
            <td>
                @Html.DisplayFor(modelItem => item.Description)
            </td>
            <td>
                @*以下はコメントアウトして代わりのコードを書いた                
                <img src="/File/GetThumb/@item.Id" 
                    alt="@item.FileName" title="@item.FileName" />*@

                @*アクションメソッドですべてのデータを Model として受け取って
                いるので、Model に含まれる画像のバイト列を Data URL 形式に変
                換して src 属性に設定することにより画像を表示できる。*@
                <img src="data:image/jpeg;base64,@Convert.ToBase64String(item.ThumbImage)" 
                    alt="@item.FileName" title="@item.FileName" />
            </td>
            
            <td>
                <a asp-action="Edit" asp-route-id="@item.Id">Edit</a> |
                <a asp-action="Delete" asp-route-id="@item.Id">Delete</a>
            </td>
        </tr>
    }
}
    </tbody>
</table>

Upload.cshtml

@model MvcCore6App.Models.FileUploadViewModel

@{
    ViewData["Title"] = "Upload";
    Layout = "~/Views/Shared/_Layout.cshtml";
}

<h1>Upload</h1>

<hr />
<div class="row">
    <div class="col-md-4">
        <form asp-action="Upload" enctype="multipart/form-data" method="post">
            <div asp-validation-summary="ModelOnly" class="text-danger"></div>
            <div class="form-group">
                <label asp-for="Title" class="control-label"></label>
                <input asp-for="Title" class="form-control" />
                <span asp-validation-for="Title" class="text-danger"></span>
            </div>
            <div class="form-group">
                <label asp-for="Description" class="control-label"></label>
                <input asp-for="Description" class="form-control" />
                <span asp-validation-for="Description" class="text-danger"></span>
            </div>
            <div class="form-group">
                <label asp-for="PostedFile" class="control-label"></label>
                <input asp-for="PostedFile" type="file" class="form-control" />
                <span asp-validation-for="PostedFile" class="text-danger"></span>
            </div>
            <div class="form-group">
                <input type="submit" value="Create" class="btn btn-primary" />
            </div>
        </form>
    </div>
</div>

<div>
    <a asp-action="Index">Back to List</a>
</div>

@section Scripts {
    @{await Html.RenderPartialAsync("_ValidationScriptsPartial");}
}

Edit.cshtml

@model MvcCore6App.Models.FileEntity

@{
    ViewData["Title"] = "Edit";
    Layout = "~/Views/Shared/_Layout.cshtml";
}

<h1>Edit</h1>

<hr />
<div class="row">
    <div class="col-md-4">
        <form asp-action="Edit">
            <div asp-validation-summary="ModelOnly" class="text-danger"></div>
            <input type="hidden" asp-for="Id" />
            <div class="form-group">
                <label asp-for="FileName" class="control-label"></label>
                <input asp-for="FileName" class="form-control" />
                <span asp-validation-for="FileName" class="text-danger"></span>
            </div>
            <div class="form-group">
                <label asp-for="Description" class="control-label"></label>
                <input asp-for="Description" class="form-control" />
                <span asp-validation-for="Description" class="text-danger"></span>
            </div>
            <div class="form-group">
                <input type="submit" value="Save" class="btn btn-primary" />
            </div>
        </form>
    </div>
</div>

<div>
    <a asp-action="Index">Back to List</a>
</div>

@section Scripts {
    @{await Html.RenderPartialAsync("_ValidationScriptsPartial");}
}

Delete.cshtml

@model MvcCore6App.Models.FileEntity

@{
    ViewData["Title"] = "Delete";
    Layout = "~/Views/Shared/_Layout.cshtml";
}

<h1>Delete</h1>

<h3>Are you sure you want to delete this?</h3>
<div>
    <h4>FileEntity</h4>
    <hr />
    <dl class="row">
        <dt class = "col-sm-2">
            @Html.DisplayNameFor(model => model.FileName)
        </dt>
        <dd class = "col-sm-10">
            @Html.DisplayFor(model => model.FileName)
        </dd>
        <dt class = "col-sm-2">
            @Html.DisplayNameFor(model => model.Description)
        </dt>
        <dd class = "col-sm-10">
            @Html.DisplayFor(model => model.Description)
        </dd>
        <dt class = "col-sm-2">
            @Html.DisplayNameFor(model => model.ThumbImage)
        </dt>
        <dd class = "col-sm-10">
            @{
                if (Model != null)
                {
                    <img src="/File/GetThumb/@Model.Id" 
                        alt="@Model.FileName" 
                        title="@Model.FileName" />
                }
            }
        </dd>
    </dl>
    
    <form asp-action="Delete">
        <input type="hidden" asp-for="Id" />
        <input type="submit" value="Delete"
            class="btn btn-danger" /> |
        <a asp-action="Index">Back to List</a>
    </form>
</div>

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CORE

Visual Studio 2022 の ASP.NET MVC アプリ

by WebSurfer 2021年11月22日 16:28

2021 年 11 月 8 日にリリースされた Visual Studio Community 2022 を自分の PC にダウンロードして使えるように設定しました。

Visual Studio Community 2022

まず手始めに、テンプレートを使って .NET 6.0 の ASP.NET Core MVC アプリのプロジェクトを作ってみましたので、Visual Studio 2019 との違いなど気が付いた点を備忘録として書いておきます。

注: ここに書いたことは自分が最初にプロジェクトを作ったときに気が付いた点のみで他にも変更点は多々あるようです。詳しくは Microsoft のドキュメント「ASP.NET Core 5.0 から 6.0 への移行」を見てください。

新しいプロジェクトの作成

この記事を書いた時点での Visual Studio のバージョンは 17.0.1、.NET SDK のバージョンは 6.0.100、.NET Runtime のバージョンは 6.0.0 です。

(1) 開発サーバー

デフォルトで Kestrel をエッジサーバーとして使うようになってました。

開発サーバー

なので、その設定のまま Visual Studio からアプリを起動すると以下のように dotnet run コマンドによってアプリが Kestrel で実行され、

dotnet コマンド

処理された応答が自動的にブラウザに表示されます。(注: 自動的にブラウザに表示されるのは Visual Studio を使った場合です)

ちなみに、Visual Studio 2019 ではデフォルトでは IIS Express を使用するインプロセスホスティングモデルになります。

詳しくは先の記事「開発環境で Kestrel 利用 (CORE)」を見てください。

(2) Bootstrap

Bootstrap.css, Bootstrap.js のバージョンが 5.1.0 にアップグレードされています。

ちなみに、Visual Studio 2019 で .NET 5.0 の ASP.NET Core MVC アプリを作った場合のバージョンは 4.3.1 になります。

自分が気が付いた限りですが、特に大きく違うのがラベルとテキストボックスの表示でした。他にも違いは多々あると思いますが。

Login 画面

他に、Bootstrap.js が jQuery に依存しなくなったことも大きな違いだと思います。

(3) Startup.cs / Program.cs

Startup.cs が無くなっていました。Visual Studio 2019 ではそれにサービス、ミドルウェア追加のためのコードを書いていたのですが、それらは Program.cs に移すことにしたらしいです。

Program.cs にエントリーポイントとして存在しなければならないはずの Main メソッドが見当たりません。Microsoft の「新しい C# テンプレートで、最上位レベルのステートメントが生成される」はコンソールアプリのドキュメントですが、ここに書いてあることが ASP.NET Core MVC にも適用されているようです。

(4) NULL 許容参照型

NULL 許容参照型がプロジェクト全体で有効化されています。

NULL 許容参照型

ASP.NET Core Identity 関係の .cshtml ファイルのソースコードにそれに対応してない部分があって警告が出ます。(.cshtml.cs ファイルの方は #nullable disable の付与で対応済み)

自分が試した時には Logout.cshtml, Login.cshtml, Register.cshtml, _Layout.cshtml の 4 つのファイルで警告が出ました。

Layout.cshtml は (string) ⇒ (string?) に変更、Logout.cshtml は if (User.Identity?.IsAuthenticated ?? false) に変更、Login.cshtml と Register.cshtml は @foreach (var provider in Model.ExternalLogins!) というように null 免除演算子 ! の追加で対処できます。

(5) CSS 分離

.NET 5.0 の Blazor アプリで導入された CSS 分離のための仕組みが MVC アプリにも導入されました。下の画像は Views/Shared/_Layout.cshtml の一部ですが、赤枠で囲ったコードがその機能を使うためのものです。

CSS 分離

Microsoft のドキュメント「ASP.NET Core Blazor の CSS の分離」によると、CSS スタイルを個々のビューに分離して、次のことを回避するのが目的だそうです。

  • 維持が困難なグローバル スタイルへの依存関係
  • 入れ子になったコンテンツでのスタイルの競合

具体的には、以下のようにビューと同じ名前の css ファイルを作成し、

CSS ファイル

このセクションの一番上の画像のように <link ... href="~/<プロジェクト名>.styles.css" ... という外部 css ファイルへの参照をコードに含めると、それからダウンロードされる css ファイルには以下のように属性セレクタが含まれるようになり、

CSS の属性セレクタ

当該ビュー(上の例では _Layout.cshtml)の html 要素には上の css の属性セレクタに設定された属性が付与されます。

html 要素の属性

その結果、css スタイルを個々のビューに分離することができます。

(6) ブラウザーリンクとファイルウォッチャー

html ソースを見ると以下のコードが自動的に(勝手に)生成されています。

ブラウザーリンクとファイルウォッチャー

前者は名前からすると Visual Studio 2015 にもあったブラウザーリンクという機能らしいです。Visual Studio 2019/2022 ではデフォルトで無効になっています。なのにスクリプトファイルを参照しているのは何故か、どのように使うのかは不明・未確認です。

後者はファイルウォッチャートという機能らしいです。aspnetcore-browser-refresh.js で検索すると「ファイル ウォッチャーを使用した ASP.NET Core アプリの開発」という記事が見つかります。

その記事の「ブラウザーの更新」のセクションに "開発中のこのような場合には、アプリに手動でスクリプトを挿入します。 たとえば、Web アプリを構成してスクリプトを手動で挿入するには、_framework/aspnet-browser-refresh.js を含むようにレイアウト ファイルを更新します。" と書いてあります。

Visual Studio 2022 で提供されたホットリロードというデバッグ中にコードを変更しながら開発を行うことを可能にした機能を実現するために使うものらしいですが、詳細は調べ切れてなくて不明です。

これらをどのように利用できるかは今後の課題ということで・・・

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