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MVC でファイルのアップロード

by WebSurfer 2019年8月3日 15:58

.NET Framework 版の MVC5 アプリでファイルをアップロードする方法について書きます。(Core 3.1 版は別の記事「ASP.NET Core MVC でファイルアップロード」に書きましたのでそちらを見てください。)

MVC でファイルのアップロード

普通に form を submit して POST 送信する場合と、jQuery Ajax を利用して非同期で送信する場合の両方の例を紹介します。ちなみに、上の画像は jQuery Ajax を使ってアップロードした結果です。

本題に入る前に、Microsoft の記事「ASP.NET Core でファイルをアップロードする」の「セキュリティの考慮事項」のセクションを一読することをお勧めします。

この記事では上に紹介した Microsoft の記事に書かれたセキュリティ関する配慮がされていませんので注意してください。例えば「アプリと同じディレクトリツリーに、アップロードしたファイルを保持しないでください」とありますが、この記事ではアプリケーションルート直下の UploadedFiles というフォルダに、アップロードされたファイルをチェックせず、ユーザーによって指定されたファイル名でそのまま保存するコードになっています。

この記事ではセキュリティの話はちょっと置いといて、単純に技術的にどうするかということを書きます。気をつけるべき点は以下の通りです。

  1. View では form 要素の enctype 属性に "multipart/form-data" が設定されるようにする。
  2. Controller のアクションメソッドでは、アップロードされたファイルがバインドされるパラメータまたはクラスのプロパティは HttpPostedFileBase 型であること。  
  3. 上で述べたバインドされるパラメータまたはクラスのプロパティの名前は、html ソースの <input type="file" ... /> の name 属性と一致させる。
  4. Internet Explorer (IE) でファイルをアップロードすると、クライアント PC でのフルパスがファイル名として送信されることがある(先の記事「IE でアップロードする際のファイル名」を参照)。その場合、HttpPostedFileBase.FieName でファイル名を取得するとクライアント PC でのフルパスになるので、必ず Path.GetFileName を使うこと。  
  5. ワーカープロセスがアップロードするホルダに対する「書き込み」権限を持っていること。
  6. ASP.NET では、デフォルト設定では 4MB を超えるリクエストは送信できないので注意。4MB を超える場合は、web.config の <httpRuntime> セクションの maxLengthRequest の設定で調整できる。

jQuery Ajax を使ってファイルをアップロードする場合は、上記に加えて以下の点に要注目です。

  1. XMLHttpRequest を使用して送信するためのキーと値のペアのセットを取得するために FormData オブジェクトを利用する。詳しくは MDN の記事「FormData オブジェクトの利用」にありますのでそちらを参照してください。
  2. ASP.NET MVC 組み込みの CSRF 防止機能は Ajax でもそのまま使えますので、View での @Html.AntiForgeryToken() と Controller のアクションメソッドへの [ValidateAntiForgeryToken] を忘れずに設定する。

上の画像を表示するのに使ったコードを以下に書いておきます。

Model

public class UploadModels
{
    public string CustomField { get; set; }
    public HttpPostedFileBase PostedFile { get; set; }
}

View

@model Mvc5App.Controllers.UploadModels

@{
    ViewBag.Title = "Upload";
    Layout = "~/Views/Shared/_Layout.cshtml";
}

<h2>Upload</h2>

@using (Html.BeginForm("Upload", "Home", FormMethod.Post,
                new { enctype = "multipart/form-data" }))
{
    // form 内の隠しフィールドは Ajax でも送信される。
    // なので以下に設定したトークンは送信される。もちろん
    // クッキーのトークンも送信されるので、アクションメソ
    // ッドに [ValidateAntiForgeryToken] を付与すれば
    // CSRF の検証はできる
    @Html.AntiForgeryToken()

    // name 属性はモデルのクラスのプロパティ名と同じにしない
    // とサーバー側でモデルバインディングされないので注意。
    // 大文字小文字は区別しない。
    <input type="file" name="postedfile" />
    <button type="submit">Upload by Submit</button>
    <br />
    @ViewBag.Result
}
<br />
<input type="button" id="ajaxUpload" value="Ajax Upload" />
<br />

<div id="result"></div>


@section Scripts {
  <script type="text/javascript">
    //<![CDATA[
    $(function () {
      $('#ajaxUpload').on('click', function (e) {
        // FormData オブジェクトの利用
        var fd = new FormData(document.querySelector("form"));

        // 追加データを以下のようにして送信できる。フォーム
        // データの一番最後に追加されて送信される
        fd.append("CustomField", "This is some extra data");

        $.ajax({
          url: '/home/upload',
          method: 'post',
          data: fd,
          processData: false, // jQuery にデータを処理させない
          contentType: false  // contentType を設定させない
          }).done(function(response) {
            $("#result").empty;
            $("#result").text(response);
          }).fail(function( jqXHR, textStatus, errorThrown ) {
            $("#result").empty;
            $("#result").text('textStatus: ' + textStatus +
                            ', errorThrown: ' + errorThrown);
          });
      });
    });
    //]]>
  </script>
}

Controler / Action Method

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Web;
using System.Web.Mvc;
using System.ComponentModel.DataAnnotations;
using Mvc5App.Models;
using System.IO;

namespace Mvc5App.Controllers
{
  public class HomeController : Controller
  {
    public ActionResult Upload()
    {
      return View();
    }

    [HttpPost]
    [ValidateAntiForgeryToken]
    public ActionResult Upload(UploadModels model)
    {
      string result = "";
      HttpPostedFileBase postedFile = model.PostedFile;
      if (postedFile != null && 
          postedFile.ContentLength > 0)
      {
        // アップロードされたファイル名を取得。ブラウザが IE 
        // の場合 postedFile.FileName はクライアント側でのフ
        // ルパスになることがあるので Path.GetFileName を使う
        string filename = 
                  Path.GetFileName(postedFile.FileName);

        //  保存先のホルダの物理パス\ファイル名
        string path = Server.MapPath("~/UploadedFiles") + 
                      "\\" + filename;

        // アップロードされたファイルを保存
        postedFile.SaveAs(path);

        result = filename + 
                 " (" + postedFile.ContentType + ") - " +
                 postedFile.ContentLength.ToString() + 
                 " bytes アップロード完了";
      }
      else
      {
        result = "ファイルアップロードに失敗しました";
      }

      if (Request.IsAjaxRequest())
      {
        return Content(result);
      }
      else
      {
        ViewBag.Result = result;
        return View();
      }
    }
  }
}

上の例は単一ファイルをアップロードする場合のものです。複数のファイルをアップロードする場合は、例えば html ソースで以下のように name 属性の値に連番で index を付与できれば、

<input type="file" name="postedfiles[0]" />
<input type="file" name="postedfiles[1]" />
 ・・・中略・・・
<input type="file" name="postedfiles[n]" />

または、ブラウザが multiple 属性をサポートしていれば以下のようにして、

<input type="file" name="postedfiles" multiple="multiple" />

Model のクラス���以下のようにすれば PostedFiles にモデルバインドできます。

public class UploadModels
{
    public string CustomField { get; set; }
    public IList<HttpPostedFileBase> PostedFiles { get; set; }
}

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Upload Download

Ajax でファイルダウンロード

by WebSurfer 2019年2月5日 18:38

Ajax を使ってファイルをダウンロードするにはどうすれば良いかということを調べましたので備忘録として書いておきます。

Ajax でファイルダウンロード

例えば、先の記事「MVC でファイルのダウンロード」で書いたようなアクションメソッドがあるとして、Ajax を使ってその URL に非同期要求をかけたとします。

そうすると、同期要求した場合と全く同様に、応答ヘッダには Content-Type と Content-Disposition が適切に設定され、コンテンツ(ファイルのバイナリデータ)も正しく返ってきます。

しかしながら、上の画像のような通知バーは表示されませんし、ファイルは PC のディスクには保存されません。

では、ファイルを PC のディスクに保存するにはどうすればいいかと言うと、応答コンテンツを Blob(生データ)として取得し、それを保存するためのスクリプトを書くことになります。

jQuery ajax を使う場合、バージョン 3.0 以降であれば Blob を取得できますが、バージョン 2.x 以前では Blob を取得できないので、ネイティブの XMLHttpRequest を使うことになるそうです (fetch API が使えればそちらを使う方がお勧め)。

詳しくは stackoverflow の記事 Using jQuery's ajax method to retrieve images as a blob にある回答を読んでください。

取得した Blob をファイルとして PC に保存するには、IE, 旧 Edge の場合は msSaveBlob method を使います。

Chrome, Firefox, Opera の場合は URL.createObjectURL を使って Blob の URL を取得し、それを html の a 要素の href 属性に設定し、download 属性にファイル名を設定してスクリプトでクリックするようにします。

具体的には、ネイティブの XMLHttpRequest を使った例ですが、以下のコードの通りです。(下の方に jQuery Ajax と fetch API を利用したサンプルコードを追記しました)

function download() {
  var url = "/Home/FileDownload";
  var filename = "testfile";

  var xhr = new XMLHttpRequest();
  xhr.open('GET', url, true);
  xhr.responseType = 'blob';
  xhr.onreadystatechange = function (e) {
    if (this.readyState == 4 && this.status == 200) {
      var blob = this.response;

      //IE, 旧 Edge とその他で処理の切り分け
      if (window.navigator.msSaveBlob) {
        window.navigator.msSaveBlob(blob, filename + ".pdf");
      } else {
        var a = document.createElement("a");
        // IE11, 旧 Edge  は URL API をサポートしてない
        var url = window.URL;
        a.href = url.createObjectURL(new Blob([blob],
                                     { type: blob.type }));
        document.body.appendChild(a);
        a.style = "display: none";
        a.download = filename + ".pdf";
        a.click();
      }
    }
  };
  xhr.send();
}

2, 3 注意点を書いておきます。

IE11 は window.URL をサポートしてないのでファイルとして保存するには msSaveBlob メソッドを使う以外に手はなさそうです。

msSaveBlob の第 2 引数を設定しないと、ファイル名は IE の場合 1A31A31A-1F57-4D8D-8C70-150839D02536.pdf のように、Edge の場合は (1) となってしまいます。

MDN のドキュメントには、Content-Disposition ヘッダーで download 属性の指定と異なるファイル名が与えられた場合は、この属性より HTTP ヘッダーが優先するということが書いてありますが、実際試すと download 属性の指定通りとなります。"" を設定したりすると aae9adeb-1005-407f-a3a6-046fa79c4351.pdf のようになります。


【追記 2023/12/6】

jQuery Ajax を利用

上に紹介した stackoverflow の記事によると jQuery バージョン 3.0 以降であれば Blob を取得できるそうで、サンプルコードも載っていましたので試してみました。以下のコードでダウンロードできます。

const jqueryAjax = () => {
    const url = "/Download/VirtualFileResult";
    const filename = "testjquery";

    $.ajax({
        url: url,
        cache: false,
        xhrFields: { responseType: "blob" }
    }).done(blob => {
        const a = document.createElement("a");
        const url = window.URL;
        a.href = url.createObjectURL(new Blob([blob],
            { type: blob.type }));
        document.body.appendChild(a);
        a.style = "display: none";
        a.download = filename + ".pdf";
        a.click();
    }).fail((jqXHR, textStatus, errorThrown) => {
        // エラー処理(省略)
    });
};

fetch API を利用

fetch 関数の戻り値の Response オブジェクトの blob メソッドで blob を取得できるそうなので試してみました。以下のコードがそれです。async / await と組み合わせることにより、上の 2 つの例より、可読性がかなり向上すると思います。

const fetchApi = async () => {
    const url = "/Download/VirtualFileResult";
    const filename = "testfetch";

    const response = await fetch(url);
    if (response.ok) {
        const blob = await response.blob();
        const a = document.createElement("a");
        const url = window.URL;
        a.href = url.createObjectURL(new Blob([blob],
            { type: blob.type }));
        document.body.appendChild(a);
        a.style = "display: none";
        a.download = filename + ".pdf";
        a.click();
    } else {
        // エラー処理(省略)
    }
};

(メモ: サンプルは Visual Studio 2022 > AspNet7 > McvNet7App > DownloadController)

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Upload Download

MVC でチャンク形式でダウンロード

by WebSurfer 2018年12月20日 11:27

MVC のアクションメソッドを使ってファイルをチャンク形式でエンコーディングしてブラウザにダウンロードする方法を書きます。

チャンク形式でダウンロード

チャンク形式エンコーディングせず、普通に(Content-Length を設定して)ダウンロードする方法については先の記事「MVC でファイルのダウンロード」に書きましたのでそちらを見てください。

チャンク形式エンコーディングでダウンロードするには、その記事で紹介したようなヘルパーメソッド File は使えませんので別の手段を考えることになると思います。

結局は、(1) HttpResponse オブジェクトを取得、(2) それから OutputStream プロパティを使って出力ストリームを取得、(3) コンテンツをチャンクに分割して Write メソッドでストリームに書き込む、(4) Flush メソッドでクライアントに送信する、(5) 全チャンクを送信するまで (3) と (4) の操作を繰り返す・・・ということになると思います。

MVC のアクションメソッドでは Controller.Response プロパティで HttpResponse オブジェクトを取得できますので、それを使って上記 (1) ~ (5) の操作を行うことができます。

そのコードを以下に書いておきます。結局は Web Forms アプリの記事「チャンク形式でダウンロード」のコードとほぼ同じですが・・・

public void ChunkedDownload()
{
  string folder = "~/Files/";
  string filename = "Sig552T8.jpg";
  string path = Server.MapPath(folder + filename);
  FileInfo fileInfo = new FileInfo(path);

  if (fileInfo.Exists)
  {
    int chunkSize = 10000;
    Byte[] buffer = new Byte[chunkSize];
    Response.Clear();

    using (FileStream stream = System.IO.File.OpenRead(path))
    {
      long length = stream.Length;
      Response.ContentType = "image/jpeg";
      Response.AddHeader("Content-Disposition",
              "attachment; filename=" + fileInfo.Name);

      while (length > 0 && Response.IsClientConnected)
      {
        int lengthRead = stream.Read(buffer, 0, chunkSize);
        Response.OutputStream.Write(buffer, 0, lengthRead);

        Response.Flush();
        length -= lengthRead;
      }
    }
  }            
}

アクションメソッドの戻り値は ActionResult である必要はなく void にできることに注意してください。

また、上のコードで最後を示す長さ 0 のチャンクも送信されます。(Fiddler で最後のバイト列が ... 0D 0A 30 0D 0A 0D 0A となっているのを確認しました)

もう一つ、MVC アプリでも HTTP ジェネリックハンドラ(.ashx ファイル)は使えますので、アクションメソッドを使わなくても、HTTP ジェネリックハンドラに同様な機能を実装することは可能です。

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2010年5月にこのブログを立ち上げました。主に ASP.NET Web アプリ関係の記事です。

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