WebSurfer's Home

トップ > Blog 1   |   ログイン
APMLフィルター

Access の更新

by WebSurfer 2010年9月4日 20:01

Visual Studio のウィサードを使うと、SQL Server や Access のテーブルを表示して、レコードを INSERT, DELETE, UPDATE するプログラムが簡単に作れます。

ただし、Access でオートナンバー(SQL Server で言うと IDENTITY)を使っている場合、INSERT した時に DB 側で設定したオートナンバー値を DataSet に書き込むところまでは面倒を見てくれません。(SQL Server の場合は面倒見てくれます)

これは、JET データベースエンジン(Microsoft Access およびその他の小規模アプリケーションで使用されている)では、単一バッチで複数のステートメントを実行できないということが理由のようです。

詳しくは、MSDN ライブラリの @@IDENTITY クライシスを管理する の「Microsoft Access/JET の問題」のセクションを参照してください。

ここでは、DataAdapter の RowUpdated イベントを使用して自動生成されたコードとは別のクエリを実行し、オートナンバー値を DataSet に書き込む具体的な例を紹介します。

まず、いつもの手順で型付 DataSet を作り、データソースウィンドウからテーブルを Form にドラッグ&ドロップしてアプリケーションを作ります。以下の画像がその例です。ここまではコードは一行も書く必要がありません。

Visual Studio でのアプリ作成

ただし、ここまでの実装では、新しいレコードを INSERT したとき、オートナンバーとなっている ID の値が DataSet に書き戻されていないので、DataGridView に表示されている ID 値は正しくありません。

そこで、INSERT 直後に発生する DataAdapter の RowUpdated イベントのハンドラで、"SELECT @@IDENTITY" クエリを使って新規 ID 値を取得し、それを DataSet に書き込んでやります。

具体的には、TableAdapter を partial class を使って拡張します。ソリューションにクラスファイルを追加して、以下のようなコードを実装します。

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Text;
using System.Data;
using System.Data.OleDb;

namespace AccessWithAutoNumberAndDataSet.DataSet1TableAdapters 
{
  public partial class XXXTableAdapter
  {
    public void SetHandler()
    {
      this.Adapter.RowUpdated += 
        new OleDbRowUpdatedEventHandler(Adapter_RowUpdated);
    }

    private OleDbCommand cmd = 
      new OleDbCommand("SELECT @@IDENTITY", null);

    private void Adapter_RowUpdated(Object sender, OleDbRowUpdatedEventArgs e)
    {
      cmd.Connection = e.Command.Connection;
      cmd.Transaction = e.Command.Transaction;

      if (e.StatementType == StatementType.Insert && 
        e.Status == UpdateStatus.Continue)
      {
        object obj = cmd.ExecuteScalar();

        if (obj != null && obj.GetType() != typeof(DBNull))
        {
          e.Row["ID"] = (int)obj;
          e.Row.AcceptChanges();
        }
      }
    }
  }
}

これだけでは、ハンドラがイベントにアタッチされていないので、自動生成された Form のコードのコンストラクタに、上記 partial class で定義した SetHandler メソッドを追記します。以下のような感じです。

namespace AccessWithAutoNumberAndDataSet
{
  public partial class Form1 : Form
  {
    public Form1()
    {
      InitializeComponent();

      // これを追加。
      this.xXXTableAdapter.SetHandler();
    }

これで、新規 ID 値が DataSet に書き込まれ、DataGridView に表示されるようになります。

Tags: , ,

ADO.NET

About this blog

2010年5月にこのブログを立ち上げました。主に ASP.NET Web アプリ関係の記事です。

Calendar

<<  2024年3月  >>
252627282912
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31123456

View posts in large calendar