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ビューから Entity Data Model 生成

by WebSurfer 2011年4月24日 13:12

Visual Studio のデザイナを使って、テーブルではなくビューから Entity Data Model(以下、EDM と書きます)を作成する時の話です。

ビューから EDM を作成

ビューもしくは主キーを持たないテーブルから EDM を作成しようとすると、以下のようなエラーメッセージが出て、有効な EDM が生成されないことがあります。

「テーブル/ビュー 'xxxxx' に主キーが定義されておらず、有効な主キーを推論できませんでした。このテーブル/ビューは除外されました。エンティティを使用するには、スキーマを確認し、正しいキーを追加して、コメントを解除する必要があります。」

検索して調べてみると、そのあたりのことは The table/view does not have a primary key defined というページに詳しく書いてありました。要約すると、以下のとおりです。

EDM の各 Entity は Key を持つ必要があり、ビューや主キーのないテーブルの場合は、デザイナが NULL 不許可の列を主キーとして推定して EDM を生成します。

しかしながら、ビューが取得する全列が NULL 許可の場合、デザイナは主キーを推定できず、有効な EDM を生成できないので、上記のエラーメッセージが出るということだそうです。

その場合でも、関係する SSDL, CSDL, MSL は edmx ファイルの中に生成されていますが、SSDL 部分がコメントアウトされていたり、その他 CSDL, MSL も不完全な内容となってます。

以下の例は、すべての列が NULL 許可のビューから作成した EDM の中身です(xml ファイルなのでメモ帳で開くことができます)。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<edmx:Edmx Version="2.0" 
  xmlns:edmx="http://schemas.microsoft.com/ado/2008/10/edmx">
  <!-- EF Runtime content -->
  <edmx:Runtime>
    <!-- SSDL content -->
    <edmx:StorageModels>
      <Schema ・・・中略・・・

  <!--生成中に見つかったエラー:
  警告 6013: テーブル/ビュー 'xxxxx' に主キーが定義されてお
  らず、有効な主キーを推論できませんでした。このテーブル/ビ
  ューは除外されました。エンティティを使用するには、スキー
  マを確認し、正しいキーを追加して、コメントを解除する必要が
  あります。
      
  <EntityType Name="ViewForEdmTest">
    <Property Name="ContactName" Type="nvarchar" MaxLength="30" />
    <Property Name="ContactTitle" Type="nvarchar" MaxLength="30" />
    <Property Name="Address" Type="nvarchar" MaxLength="60" />
    <Property Name="City" Type="nvarchar" MaxLength="15" />
    <Property Name="Region" Type="nvarchar" MaxLength="15" />
    <Property Name="PostalCode" Type="nvarchar" MaxLength="10" />
    <Property Name="Country" Type="nvarchar" MaxLength="15" />
  </EntityType>-->

      </Schema>
    </edmx:StorageModels>

    <!-- CSDL content -->
    <edmx:ConceptualModels>
      ・・・中略・・・
    </edmx:ConceptualModels>

    <!-- C-S mapping content -->
    <edmx:Mappings>
      ・・・中略・・・
    </edmx:Mappings>
  </edmx:Runtime>

  <!-- EF Designer content (DO NOT EDIT MANUALLY BELOW HERE) -->
  <Designer ・・・中略・・・
  </Designer>
</edmx:Edmx>

エラーメッセージの「正しいキーを追加して、コメントを解除・・・」というのは、それを書き直せということで、上に紹介したページの First Solution のことを言っています。

edmx ファイルをメモ帳で開いて、関係する SSDL, CSDL, MSL を書き直せば、確かに EDM 本体は有効になります。上の画像は、SSDL, CSDL, MSL を書き直したあと、edmx ファイルを Visual Studio で開いたもので、有効な EDM として表示されています(直す前は何も表示されません)。

ただし、Xxxxx.Designer.cs の定義が不完全なままなので、結局直した EDM はアプリケーションで利用できなかったのですが(自分が試した限りです)。

edmx ファイルを自力で書き直す以外の解決方法は以下の通りです。

  1. ビューが取得するフィールドに主キー列を含める。
  2. ISNULL 関数を利用する。

ビューにはもともと主キーなどはありませんが、ビューが取得するフィールドに主キー列が含まれていると、その列が NULL 不許可となり(デザイナがその列を主キーとして推定し)、EDM の生成に成功します。

2 番目の解決策は、上に紹介したページの Second Solution です。例えば、以下のように ID 列を追加してやります。なお、ROW_NUMBER() だけではダメで、ISNULL が必要ですので注意してください。

SELECT ISNULL((ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY ContactName ASC)), 0) AS ID, ContactName, ContactTitle, Address, City, Region
FROM   dbo.Customers

なお、上記 1, 2 のいずれの場合も、EDM 生成時に以下のメッセージが出ますが、xxxxx.edmx ファイルは、xxxxx.Designer.cs を含めて、問題なく生成されているはずです。

「テーブル/ビュー 'xxxxx' には主キーが定義されていません。主キーは推論され、定義は読み取り専用のテーブル/ビューとして作成されました。」

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2010年5月にこのブログを立ち上げました。主に ASP.NET Web アプリ関係の記事です。

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