by WebSurfer
2012年11月21日 21:37
Internet Explorer (IE) の「インターネットオプション」の「詳細設定」タブで、「HTTP 1.1 を使用する」のチェックを外すと、Ajax Control Toolkit が動かないという話の紹介です。(プロキシサーバー経由になる場合は「プロキシ接続で HTTP 1.1 を使用する」のチェックを外す)
ググって見つけた CodePlex のページ ToolkitScriptManager ignores accept-encoding http header を読んで原因がわかりました。
簡単に言うと、原因は、ToolkitScriptManager が常に gzip で圧縮したスクリプトファイルを送信するのに、IE は「HTTP 1.1 を使用する」にチェックを入れないと解凍しないことです。
詳しく書くと、以下の通りです。
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ToolkitScriptManager は、Microsoft Ajax Library を外部スクリプトファイルとして HTTP ハンドラ経由でブラウザにダウンロードさせるため、script 要素の src 属性に ScriptResource.axd?d=...&t=... と設定した初期ページをブラウザに返します。
クエリ文字列のパラメータ d には、HTTP ハンドラが取得すべきファイルの指定と、送信時に圧縮するか否かの指示が含まれています。(パラメータ d, t の詳細については MSDN マガジンの ASP.NET AJAX アプリケーションの国際化 を見てください)
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IE の設定で「HTTP 1.1 を使用する」にチェックが入っている場合、要求ヘッダには Accept-Encoding: gzip, deflate が含まれます。チェックを外すと Accept-Encoding は含まれなくなります。
ASP.NET 標準の ScriptManager の場合は、Accept-Encoding の有無を見て、初期ページに指定される ScriptResource.axd?d=...&t=... のパラメータ d を変えてきます。(Accept-Encoding が無ければ非圧縮、Accept-Encoding: gzip, deflate が含まれれば gzip 圧縮がパラメータ d に指定される)
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ところが、Ajax Control Toolkit の ToolkitScriptManager の場合は、要求ヘッダに Accept-Encoding があってもなくても、初期ページに指定する ScriptResource.axd?d=...&t=... は同じです。パラメータ d は gzip 圧縮の指定となります。
つまり、IE の設定で「HTTP 1.1 を使用する」のチェックを外しても/外さなくても、サーバーからHTTP ハンドラ経由で受け取るスクリプトファイルは gzip で圧縮されたものになります。
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一方、IE の設定で「HTTP 1.1 を使用する」のチェックを外すということは、IE では圧縮ファイルは解凍されないということを意味します。(応答ヘッダに Content-Encoding: gzip が含まれていても無視されます)。
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結果、IE は Microsoft Ajax Library のスクリプトを解析できず、Ajax Control Toolkit が動かないということになります。(「文字が正しくありません。」とか「'Sys' は宣言されていません。」などのエラーが出ます)
IE8, IE9 で検証してみましたが、同じ問題が出ます。
いまどき「HTTP 1.1 を使用する」のチェックを外すことはないでしょうから実際に問題が出ることはなさそうですが、こういう問題もあるということは ASP.NET Web アプリケーションの開発者なら知っておいたほうがよさそうだと思って書いてみました。
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Tags: ACT, GZIP
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