WebSurfer's Home

トップ > Blog 1   |   Login
Filter by APML

SelectMany メソッド

by WebSurfer 21. March 2022 19:15

Linq の SelectMany メソッドについて調べて、多少なりとも分かったような気になったので、自分なりの理解を備忘録として書いておくことにしました。

顧客が過去に注文した製品一覧

自分の手を動かしてコードを書くと理解が深まるだろうと思って、Northwind サンプルデータベースの Customers テーブルの顧客が過去に注文した製品の一覧を SelectMany メソッドと GroupBy メソッドを使って取得するサンプルを作ってみました。上の画像がその結果を表示したものです。どのようなコードを書いたかは後述します。

Microsoft のドキュメント「Enumerable.SelectMany メソッド」を見ると "シーケンスの各要素を IEnumerable<T> に射影し、結果のシーケンスを 1 つのシーケンスに平坦化します。 Projects each element of a sequence to an IEnumerable<T> and flattens the resulting sequences into one sequence." と書いてあるのですが、自分の頭ではその説明ではさっぱり意味が分かりませんでした。「シーケンス (sequence)」って何? 「射影 (project)」って何? 「平坦化 (flatten)」ってどういうこと?・・・って感じ。(汗)

ググって調べてみると「シーケンス」というのは .NET の Linq の世界に限れば "IEnumerable または IEnumerable<T> インターフェイスを継承するオブジェクト" と理解すれば良さそうです。

「射影」というのは Microsoft のドキュメント「射影操作 (C#)」によれば "オブジェクトを必要なプロパティだけで構成された別の形式に変換する操作" ということだそうです。その際「平坦化」を同時に行うのが Select メソッドとは違う所のようです。

で、問題の「平坦化」ですが、これは BuildInsider の記事「LINQ:取得列を明示的に指定する - select句/SelectManyメソッド[C#]」の説明が分かりやすかったです。

下の画像は Northwind サンプルデータベースの Customers, Orders, Order_Details, Products テーブルから生成した Entity Data Model ですが、これを例に取って説明します。

Northwind EDM

Orders の中には複数の顧客の注文データが複数(過去の注文の数)含まれており、各注文に紐づく詳細は Order_Details に含まれています。Order_Details のデータは Orders のナビゲーションプロパティ Order_Details から取得できます。

Orders から CustomerID が "ALFKI" の顧客の注文(Orders の中に複数あります)を抽出し、それに紐づく Order_Details を Select および SelectMany メソッドで引数にナビゲーションプロパティ Order_Details 設定して取得してみます。

Select メソッド

結果のオブジェクトが List<ICollection<OrderDetail>> 型となっています。上に紹介した BuildInsider の記事にも書いてありますように、OrderDetail にアクセスするためには 2 回ループを回す必要があります。

Select の結果

SelectMany メソッド

結果のオブジェクトが List<OrderDetail> 型になっており「平坦化」されているのが分かるでしょうか?

SelectMany の結果

ちなみに SelectMany メソッドの引数に指定するナビゲーションプロパティは IEnumerable<T> 型でなければならないので注意してください。間違って他の Employee 型とかのプロパティを設定すると以下のようなエラーが出ます。(意味不明なので悩むかも。何を隠そう自分がそうでした)

"エラー CS0411 メソッド 'Enumerable.SelectMany<TSource, TResult>(IEnumerable<TSource>, Func<TSource, IEnumerable<TResult>>)' の型引数を使い方から推論することはできません。型引数を明示的に指定してください。"


もう一つ、上の例より実用的かもしれないサンプルコードを載せておきます。 ASP.NET Core MVC アプリで、Customers テーブル顧客一覧を表示し (Customers/Index)、一覧の中から選んだ特定の顧客が過去に注文した製品の一覧を SelectMany メソッドと GroupBy メソッドを使って取得し、ViewData を使って View に渡して表示するもので (Customers/Details)、この記事の一番上の画像がその結果です。

using Microsoft.AspNetCore.Mvc;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;
using MvcCore6App2.Data;

namespace MvcCore6App2.Controllers
{
    public class CustomersController : Controller
    {
        private readonly NorthwindContext _context;

        public CustomersController(NorthwindContext context)
        {
            _context = context;
        }

        public async Task<IActionResult> Index()
        {
            return View(await _context.Customers.ToListAsync());
        }

        public async Task<IActionResult> Details(string id)
        {
            if (id == null)
            {
                return NotFound();
            }

            var customer = await _context.Customers
                .Include(c => c.Orders)
                    .ThenInclude(o => o.OrderDetails)
                        .ThenInclude(od => od.Product)
                .FirstOrDefaultAsync(c => c.CustomerId == id);

            var orderDetails = customer?.Orders
                .SelectMany(o => o.OrderDetails);

            if (orderDetails != null)
            {
                ViewData["PastOrderedProducts"] = orderDetails
                    .GroupBy(od => od.Product)
                    .Select(g => new PastOrderedProducts
                    { 
                        ProductId = g.Key.ProductId,
                        ProductName = g.Key.ProductName,
                        Quantity = g.Sum(g => g.Quantity) 
                    }).ToList();
            }

            if (customer == null)
            {
                return NotFound();
            }

            return View(customer);
        }
    }

    public class PastOrderedProducts
    {
        public int ProductId { get; set; }
        public string? ProductName { get; set; }
        public int Quantity { get; set; }
    }
}

Tags: , ,

ADO.NET

Entity Framework で ROW_NUMBER

by WebSurfer 20. September 2021 15:27

SQL Server のテーブルからレコードを抽出する際、あるフィールドに ORDER BY 句を適用して並べ替え、その順序で連番を振りたいという場合は ROW_NUMBER (Transact-SQL) を使うことができます。

ROW_NUMBER の使用

上の画像がその例で、ProductName フィールドに ORDER BY 句を適用して昇順に並べ替えて、ROW_NUMBER を使ってその順で 1 から連番を振って、その連番を SeqNum という名前で取得しています。期待通り SeqNum に連番が取得されているのが分かるでしょうか?

それを同じことを Entity Framework ではどのようしたらできるかというのがこの記事の話です。

この記事を書いた時点で自分が調べた限りですが、ROW_NUMBER は Entity Framework ではサポートされてないようで(NuGet から Thinktecture.EntityFrameworkCore.SqlServer をインストールして使えるようにするという手はあるようですが)、Linq to Entities / Objects のクエリ式やメソッド式に ROW_NUMBER を含めることはできないようで���。

Microsoft のドキュメント「生 SQL クエリ」に紹介されているように、FromSqlRaw 拡張メソッドを使用して上の画像の SELECT クエリをそのまま SQL Server に投げるという手も考えましたが、戻ってきた結果から SeqNum を取得する方法が見つかりません。(自分が見つけられないだけで手はあるのかもしれませんが)

ではどうするかですが、ググって調べていると Generating Sequence Numbers In LINQ Query という記事を見つけました。

IEnumerable<T> インターフェイスの Select 拡張メソッドのオーバーロードの一つに Select<TSource,TResult>(IEnumerable<TSource>, Func<TSource,Int32,TResult>) があって、それを使えば 0 番から始まる連番の index を取得することができるというものです。

その記事を参考に、上の画像の ROW_NUMBER を使った SELECT クエリと同じ結果を Linq to Entities / Objects を使って取得するコードを書いてみました。以下の通りです。

public List<ProductWithSeqNum> GetListWithSeqNum()
{
    var data = _context.Products
               .Select(a => new 
               {
                   ProductId = a.ProductId,
                   ProductName = a.ProductName,
                   UnitPrice = a.UnitPrice.Value
               });

    var list = data.AsEnumerable()
               .OrderBy(a => a.ProductName)
               .Select((a, index) => new ProductWithSeqNum
               {
                   SeqNum = index + 1,
                   ProductId = a.ProductId,
                   ProductName = a.ProductName,
                   UnitPrice = a.UnitPrice
               });

    return list.ToList();
}

まず、Linq to Entities を使って Products テーブルから ProductId, ProductName, UnitPrice 抽出して IQueryable<匿名クラス> のオブジェクトを取得し、変数 data に格納しています。

次に、data.AsEnumerable() で IEnumerable<匿名クラス> に変換して、それを OrderBy メソッドで ProductName 順に並べ替え、上に述べた Select メソッドの index を使って 1 から始まる連番を SeqNum に格納しています。

ProductWithSeqNum クラスを Data Transfer Object (DTO) として使っていて、結果を List<ProductWithSeqNum> オブジェクトとして戻しています。ProductWithSeqNum クラスの定義は以下の通りです。

public class ProductWithSeqNum
{
    public int SeqNum { get; set; }

    public int ProductId { get; set; }

    public string ProductName { get; set; }

    public decimal UnitPrice { get; set; }
}

上の GetListWithSeqNum メソッドで取得した結果をコンソールに書き出すと以下の通りとなります。一番上の画像と同様な結果が取得できているのが分かるでしょうか。

結果をコンソールに書き出し

Tags: , ,

ADO.NET

Linq to Entities でのキャッシュに注意

by WebSurfer 19. September 2021 16:54

Linq to Entities でエンティティを追加したり取得したりする場合、デフォルトではエンティティは DbContext にキャッシュされるそうです。それでハマったので、再びそういうことがないよう備忘録を書いておくことにしました。

検証結果のテーブル

元の話は Teratail のスレッド「[C#,.NET5,EFCore5+Microsfot.Data.Sqlite] トランザクションのロールバックが意図通りに動かない」です。その話は表題とは異なり、ロールバックは期待通り動いていたがキャッシュのために動いてないと勘違いしたというものです。

本題に入る前に、まずトランザクション / ロールバックの話を書いておきます。

トランザクションは、保留中の状態 (BeginTransaction の呼び出し後、Commit の呼び出し前) だけからロールバックできるようになっています。逆に言えば、保留中の状態であれば RollBack を呼び出せばロールバックできます。

Microsoft のドキュメント「トランザクションの使用」の「トランザクションを制御する」のセクションのサンプルコードを見てください。

SaveChanges はすべて完全に成功していても、transaction は SaveChanges でコミットされるわけではない(保留中の状態にある)ので、transaction.Commit(); がないと transaction が Dispose される時にロールバックされます。

そのコードで transaction.Commit(); ⇒ transaction.RollBack(); としたのが Teratail のスレッドの話ですが、その場合はもちろん無条件でロールバックされます。

DB はロールバックはされたのですが、キャッシュされたエンティティまではロールバックされないので、キャッシュされたエンティティを使ってその後の操作を行った結果ロールバックが失敗しているように見えたという話です。

エンティティをキャッシュする理由は、Microsoft のドキュメント「追跡と追跡なしのクエリ」に書いてあるように、追跡を行うためということです。どういうことかと言うと、エンティティに加えられた変更を追跡していって、SaveChanges メソッドで変更結果を DB に反映するということらしいです。

その記事に書いてある "If EF Core finds an existing entity, then the same instance is returned. EF Core won't overwrite current and original values of the entity's properties in the entry with the database values." というのは「エンティティがキャッシュにあればキャッシュから取得する。DB の値で上書きされることはない」と言っているように思えます。

"If the entity isn't found in the context, then EF Core will create a new entity instance and attach it to the context." というのは「context.Blogs.Add(...) というようにするとそのエンティティも DbContext にキャッシュされる」ということのように思えます。

Teratail のスレッドのように、自分で RollBack と書くようなことはしないはずなので、普通はキャッシュによる問題には遭遇しなそうな気がします。

そこを、若干無理やりですが、こんなことをすると問題になるかもしれないと作ったサンプルが下のコードです。Visual Studio 2019 のテンプレートで作った .NET 5.0 のコンソールアプリです。DB は SQLite を使っています。

Teratail のものとは違って、普通に Commit と書いて例外発生時のみロールバックするようにしています。ただし、例外を catch してなかったことにしているので、その後キャッシュされたエンティティを使っての作業が継続できるというものです。

これを実行した結果の DB の内容が上の画像です。Name が SEQ1, SEQ2, SEQ3 の既存のレコードがあって、それに赤枠で囲った SEQ5 のレコードを追加しています。

transaction で囲った 1 つ目の SaveChanges で SEQ5 の Value を 2 に UPDATE していますが、2 つ目の SaveChanges で PK 制約違反の例外が発生するので Commit できずロールバックされるようになっています。DB 上では上の画像の通りロールバックされて SEQ5 の Value は初期値 1 のままになっています。

コードのコメント「ここでエンティティがキャッシュされる」のところで SEQ5 のエンティティがキャッシュされています。ロールバックされた後、変数 seq1, seq2, seq3 に SEQ5 のエンティティを取得してその Value プロパティをコンソールに書き出すと以下のように順に 2, 2, 1 となります。

コンソールへの出力

seq1, seq2 はキャッシュから取得されており、キャッシュはロールバックされないので、それらの Value はコードで書き換えた 2 のままになっています。

予想外だったのは seq2 です。これは要注意だと思いました。context.Sequences.ToListAsync() で DB に SELECT クエリを発行してロールバック後のすべてのレコードを取得してくるのですが、SEQ5 のエンティティのみはキャッシュで書き換えられてしまっています。

seq3 は Reload して DB からデータを取得してキャッシュを書き換えた結果です。上の画像のロールバック後の DB の値が Reload で取得されて Value は 1 になっています。

using System;
using System.ComponentModel.DataAnnotations;
using System.ComponentModel.DataAnnotations.Schema;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;
using System.Collections.Generic;
using System.Threading.Tasks;

namespace ConsoleAppSQLite
{
    class Program
    {
        static async Task Main(string[] args)
        {
            using (var context = new TestDBContext())
            {
                // ここでエンティティがキャッシュされる
                context.Sequences.Add(
                    new SequenceValue { Name = "SEQ5", Value = 1 });

                // 上で作った Name = "SEQ5", Value = 1 の新規データを INSERT
                context.SaveChanges();

                try
                {
                    using (var transaction = context.Database.BeginTransaction())
                    {
                        // 上で INSERT した Name = "SEQ5", Value = 1 のレコード
                        // の Value を 2 にして UPDATE
                        SequenceValue seq = context.Sequences.Find("SEQ5");
                        seq.Value = 2;                        
                        context.SaveChanges();

                        // Name = "SEQ2", Value = 1 のレコードを INSERT
                        // Name は主キーで "SEQ2" のレコードは DB に存在する
                        // ので PK 制約違反
                        context.Sequences.Add(
                            new SequenceValue { Name = "SEQ2", Value = 100 });
                        context.SaveChanges();

                        // 上の SaveChanges で例外が発生するので Commit されない
                        // 結果 transaction が Dispose される際ロールバックされる
                        transaction.Commit();
                    }
                }
                catch (Exception)
                {
                    // 例外処理・・・何もしないと例外はなかったことになる
                }

                // キャッシュから取得する。ロールバックはキャッシュは書き換え
                // ないので、上のコードで seq.Value = 2 とした結果が取得される
                SequenceValue seq1 = context.Sequences.Find("SEQ5");

                // キャッシュから取得しないようにするには AsNoTracking() を
                // 追加して以下のようにする
                //SequenceValue seq1 = await context.Sequences
                //                           .AsNoTracking()
                //                           .SingleAsync(x => x.Name == "SEQ5");

                Console.WriteLine(seq1.Value);

                // DB に SELECT クエリを発行して全てレコードを取得してくるが
                // Name(主キー)が "SEQ5" のエンティティだけはキャッシュから
                // 取得して list を書き換える。                
                List<SequenceValue> list = await context.Sequences.ToListAsync();

                // 書き換えられないようにするには AsNoTracking() を追加して
                // 以下のようにする
                //List<SequenceValue> list = 
                //    await context.Sequences.AsNoTracking().ToListAsync();

                SequenceValue seq2 = list.Find(x => x.Name == "SEQ5");
                Console.WriteLine(seq2.Value);

                // Reload すると DB からデータを取得してキャッシュを書き換
                // えるので Value はロールバック後の値 1 になる
                SequenceValue seq3 = context.Sequences.Find("SEQ5");
                await context.Entry(seq3).ReloadAsync();
                Console.WriteLine(seq3.Value);
            }
        }
    }


    [Table("SEQUENCES")]
    public class SequenceValue
    {
        [Key, Column("NAME")] 
        public string Name { get; set; }
        
        [Column("VALUE")] 
        public int Value { get; set; }
    }

    public class TestDBContext : DbContext
    {
        protected override void OnConfiguring(DbContextOptionsBuilder builder)
        {
            var path = @"C:\Users\...省略...\test.db";
            var connStr = "Data Source=" + path;

            builder.UseSqlite(connStr);

            // 出力ウィンドウに EF Core ログを表示
            builder.LogTo(msg => System.Diagnostics.Debug.WriteLine(msg));
        }
        public DbSet<SequenceValue> Sequences { get; set; }
    }
}

あと、コメントにも書きましたが、DbExtensions.AsNoTracking メソッドを適用すると "Returns a new query where the entities returned will not be cached in the DbContext or ObjectContext." ということで、キャッシュは使われなくなるようです。こういうやり方が正解なのかどうかは分かりませんが。

Tags: , , , ,

ADO.NET

About this blog

2010年5月にこのブログを立ち上げました。その後ブログ2を追加し、ここはプログラミング関係、ブログ2はそれ以外のトピックスに分けました。

Calendar

<<  May 2022  >>
MoTuWeThFrSaSu
2526272829301
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
303112345

View posts in large calendar