自分のブログに良からぬことをする輩がいるので IP アドレスでアクセス制限をかけました。以下にどのように設定したかを備忘録として書いておきます。
IIS Manager が使える場合は、Microsoft のドキュメント「IP セキュリティ <ipSecurity>」および「IP セキュリティの追加 <add>」に従って設定すればよさそうです。
しかしながら、自分が使っているホスティングサービスでは IIS Manager は利用できず、ホスティングサービスが用意しているコントロールパネル上では GUI による操作ができません。なので、直接 web.config を編集してアクセス制限のための ipSecurity 要素を書き加えなければなりません。
自分の開発マシンは Windows 10 Pro 64-bit ですので IIS 10 と IIS Manager が使えます。それを使って GUI でアクセス制限のための ipSecurity 要素を作成できます。それを運用環境の web.config にコピーすればよさそうです。
注意:
自分の環境では ApplicationHost.config に <section name="ipSecurity" overrideModeDefault="Deny" /> という制約があって、下位のサイト/アプリケーションの web.config には ipSecurity 要素を設定できません。なので、自分の環境では 以下の IIS Manager を使っての操作では ipSecurity 要素は ApplicationHost.config に追加されます。ホスティングサービスの ApplicationHost.config にはそのような制約はなく、作成した ipSecurity 要素はサイト/アプリケーションの web.config にコピーできます。
デフォルトでは IIS 10 には IP セキュリティの機能は含まれません。機能を追加するには、 Windows 10 PC の場合、下の画像のように「Windows の機能の有効化または無効化」のダイアログで [IP セキュリティ] にチェックを入れて機能を有効化します。(Windows Server では [役割と機能の追加] で [IP and Domain Restriction] にチェックを入れて有効化します)

IP セキュリティの機能を追加すると、IIS Manager 上に「IP アドレスおよびドメインの制限」という機能が表示されるようになります。下の画像がそれです。

ローカルの適当なサイトまたはアプリケーションを選び「IP アドレスおよびドメインの制限」機能を開いて作業を行います。上の画像の例では、Default Web Site 下の MvcApp という名前のアプリケーションを選んでいます。そのアプリケーション用の ipSecurity 要素を追加します。
「IP アドレスおよびドメインの制限」のアイコンをダブルクリックして機能を開き、IIS Manager 上の「操作」ウィンドウの [拒否エントリの追加...] をクリックすると下のダイアログが表示されます。問題の IP アドレスは 185.208.8.76 でしたが、今回は 185.208.8.0 から 185.208.8.255 までの帯域をアクセス制限します。

[OK] ボタンをクリックすると下の画面が表示されるので、上の操作で追加した規則を選んで「操作」ウィンドウの [機能設定の編集...] をクリックします。

下の画像の「IP およびドメインの制限の編集」ダイアログが表示されますので、画像のように設定し [OK] ボタンをクリックします。

上の画像で[特定できないクライアントのアクセス(A):]は[許可](デフォルト) にします。[拒否]にすると制限した IP アドレス以外も拒否されてしまいます。
[拒否アクションの種類(D):]はドロップダウンの 4 項目の中から選べます。今回は[検出されていません](HTTP 404 Not Found 応答を返す) を選びました。
その他の項目についての説明は Microsoft のドキュメント「IIS 8.0 動的 IP アドレス制限」を見てください。
[OK] ボタンをクリックするとルールが作成され、ApplicationHost.config に以下の通り ipSecurity 要素が追加されているはずなので確認してください。(未検証ですが、ApplicationHost.config で ipSecurity の overrideModeDefault が Allow となっていれば当該サイト/アプリケーションの web.config に追加されると思われます)
<location path="Default Web Site/MvcApp">
<system.webServer>
<security>
<ipSecurity denyAction="NotFound">
<add ipAddress="185.208.8.0"
subnetMask="255.255.255.0"
allowed="false" />
</ipSecurity>
</security>
</system.webServer>
</location>
上の ipSecurity 要素を web.config にコピーしました。その作業を行ったのが 2025/5/20 です。それ以来、この記事を書いた今日まで 2 週間は問題のアクセスはないです・・・が、アクセス制限の効果があったのか、問題の輩がアクセスをやめただけなのかは分かりません。前者に期待したいですが。(笑)