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JSON シリアライズの際の循環参照エラー

by WebSurfer 8. March 2020 15:51

.NET Framework の ASP.NET MVC アプリや Web API アプリでオブジェクトを JSON 文字列にシリアライズするときの循環参照エラーの問題とその回避方法を書きます。

循環参照エラー

例えば、Entity Framework 6 の Code First 機能を利用して、以下のコード(Microsoft のチュートリアル「新しいデータベースへの Code First」のサンプルコードです)からデーターベースを生成し、Linq to Entities で取得したデータを JSON にシリアライズするケースを考えます。

public class Blog
{
    public int BlogId { get; set; }
    public string Name { get; set; }

    public virtual List<Post> Posts { get; set; }
}

public class Post
{
    public int PostId { get; set; }
    public string Title { get; set; }
    public string Content { get; set; }

    public int BlogId { get; set; }
    public virtual Blog Blog { get; set; }
}

public class BloggingContext : DbContext
{
    public DbSet<Blog> Blogs { get; set; }
    public DbSet<Post> Posts { get; set; }
}

以下のコードのように、Linq to Enitities を使ってデータベースからデータを取得し、ASP.NET MVC5 の Controller.Json メソッドを使って JSON 文字列にシリアライズしてみます。

using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Web.Mvc;
using Mvc5App.DAL;
using System.Data.Entity;

namespace Mvc5App.Controllers
{
    public class HomeController : Controller
    {
        public ActionResult Json()
        {
            var db = new BloggingContext();
            var list = db.Blogs.Include(b => b.Posts);
            return Json(list, JsonRequestBehavior.AllowGet);
        }
    }
}

上のアクションメソッド Json を呼び出すと、この記事の上の画像の通り、循環参照エラーになります。

(注: ちなみに、上のコードを var list = db.Blogs; に変えるとシリアライズの際に遅延ローディングが起こって "この Command に関連付けられている DataReader が既に開かれています。このコマンドを最初に閉じる必要があります" というエラーになります。var list = db.Blogs.ToList(); とすると、シリアライズの際に遅延ローディングが起こるのは同じですが、その時は DataReader が閉じているので循環参照のところまで進んで、上の画像と同じエラーになります)

ASP.NET Web API でも同様で、return db.Blogs.Include(b => b.Posts); とするとシリアライズする際に循環参照が生じて JSON へのシリアライズに失敗します。

原因は Post クラスにナビゲーションプロパティ Blog が定義されているためで、それをシリアライズしようとすると循環参照が発生し InvalidOperationException がスローされるからだそうです。ググってヒットした記事「ASP.NET Web API で循環参照なモデルの公開を解決する」を参考にさせていただきました。

その記事に書いてありますが、.NET Framework の ASP.NET Web API の JSON シリアライザは Newtonsoft の Json.NET のもので、JsonIgnoreAttribute Class という属性が利用できます。なので、上の Post クラスの Blog プロパティに [JsonIgnore] を付与すればシリアライズの際の循環参照エラーは回避できます。

しかしながら、MVC5 アプリで利用する Controller.Json メソッドは内部で JavaScriptSerializer クラスを使っており、JsonIgnore 属性は効果がありません。

なので、Microsoft のドキュメント「Create Data Transfer Objects (DTOs)」を参考にして以下のコードのようにしてみました。

public class BlogDto
{
    public int BlogId { get; set; }
    public string Name { get; set; }
    public List<PostDto> Posts { get; set; }
}

public class PostDto
{
    public int PostId { get; set; }
    public string Title { get; set; }
    public string Content { get; set; }
    public int BlogId { get; set; }
}

public ActionResult Json()
{
    var db = new BloggingContext();

    var list = db.Blogs.Include(b => b.Posts).
               Select(b => new BlogDto
               {
                   BlogId = b.BlogId,
                   Name = b.Name,
                   Posts = b.Posts.Select(p => new PostDto
                   {
                       PostId = p.PostId,
                       Title = p.Title,
                       Content = p.Content,
                       BlogId = p.BlogId
                   }).ToList()
               });

    return Json(list, JsonRequestBehavior.AllowGet);
}

ナビゲーションプロパティを除いた別の入れ物(上の BlogDto クラス、PostDto クラス)に入れてシリアライズしているわけですから、当然ながら循環参照の問題はなくなって JSON 文字列にシリアライズできます。

循環参照を避ける以外に、必要なデータだけを望む形で JSON 文字列にシリアライズするということも出来るわけですから、積極的に DTO を使うのが正解だと思います。

なお、.NET Core 3.0 以降には JsonIgnoreAttribute クラスが利用できるので、上の .NET Framework のケースとは話は違ってきて、MVC, Web API どちらの場合も循環参照になるプロパティに [JsonIgnore] を付与すればシリアライズできます。

(Microsoft のドキュメント Add Newtonsoft.Json-based JSON format support を見ると ASP.NET Core 2.x 以前は Newtonsoft.Json パッケージが、ASP.NET Core 3.x 以降は System.Test.Json が使われているそうです)

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MVC

ASP.NET Core Web API と JWT

by WebSurfer 11. February 2020 18:48

ASP.NET Core 3.1 Web API でトークンベース認証を実装してアクセス制限し、ユーザー認証に ASP.NET Core Identity のユーザー情報を利用する方法を書きます。

結果の表示

.NET Framework Web API の場合は、先の記事「ASP.NET Web API の認証」で書きましたように、Visua Studio のテンプレートを使って認証を「個別のユーザーアカウントカウント」として自動生成すればデフォルトでトークンベースの認証が実装され、認証のためのユーザー情報のストアには ASP.NET Identity が使用されます。

Core Web API では自力での実装が必要になります。テンプレートで認証に「個別のユーザーアカウントカウント」を選択すると「クラウドの既存のユーザーストアに接続する」しか選べません。なので、認証なしの状態から Core 2 からサポートされたという JSON Web Token (JWT) を使った認証を実装することにします。

基本的な方法は Auth0 というサイトのブログの記事「ASP.NET Core 2.0 アプリケーションを JWT でセキュアする」(以下「Auth0 の記事」��書きます)に書いてあるのでそれを見れば済む話なのですが、リンク切れになったりすると困るので要点およびその記事には書いてないことを備忘録として残しておきます。

(1) プロジェクトの作成

元になる ASP.NET Core 3.1 Web API アプリのプロジェクトは Visual Studio Community 2019 のテンプレートで自動生成されたものを使います。以下の画像を見てください。認証は「なし」にしておきます。

プロジェクトの作成

テンプレートで自動生成したプロジェクトにはサンプルのコントローラ WeatherForecastController が実装されていて、Visual Studio からプロジェクトを実行([デバッグ(D)]⇒[デバッグなしで開始(H)])すると JSON 文字列が返ってきます。

そのアクションメソッド Get() に JWT ベースの認証を実装します(即ち、トークンが無いとアクセス拒否するようにします)。

(2) NuGet パッケージのインストール

下の画像の赤枠で囲んだ Microsoft.AspNetCore.Authentication.JwtBearer を NuGet からインストールします。青枠で囲んだものは、下に述べるユーザー認証に ASP.NET Core Identity のユーザー情報を利用する場合に必要になります。

NuGet パッケージのインストール

(3) JWT 認証スキーマを登録

自動生成された Startup.cs のコードの ConfigureServices メソッドで、AddAuthentication メソッドを使って JWT 認証スキーマを登録します。コードは Auth0 の記事のものをそのままコピペすれば OK です。using 句の追加を忘れないようにしてください。

さらに、認証を有効にするため Configure メソッドに app.UseAuthentication(); を追加します。既存のコードの app.UseAuthorization(); の前にする必要があるので注意してください。

具体的には以下のコードで「JWT ベースの認証を行うため追加」とコメントしたコードを追加します。

// ・・・前略・・・

// JWT ベースの認証を行うため追加
using Microsoft.AspNetCore.Authentication.JwtBearer;
using Microsoft.IdentityModel.Tokens;
using System.Text;

//・・・中略・・・

  public void ConfigureServices(IServiceCollection services)
  {
    // JWT ベースの認証を行うため追加
    services.AddAuthentication(
        JwtBearerDefaults.AuthenticationScheme)
        .AddJwtBearer(options =>
        {
          options.TokenValidationParameters = 
            new TokenValidationParameters
            {
              ValidateIssuer = true,
              ValidateAudience = true,
              ValidateLifetime = true,
              ValidateIssuerSigningKey = true,
              ValidIssuer = Configuration["Jwt:Issuer"],
              ValidAudience = Configuration["Jwt:Issuer"],
              IssuerSigningKey = new SymmetricSecurityKey(
                  Encoding.UTF8.GetBytes(
                      Configuration["Jwt:Key"]))
            };
        });

    services.AddControllers();
  }

  public void Configure(IApplicationBuilder app, 
            IWebHostEnvironment env)
  {
    // ・・・中略・・・

    // JWT ベースの認証を行うため追加
    app.UseAuthentication();

    app.UseAuthorization();

    //・・・後略・・・

(4) Key と Issuer を appsettings.json に登録

上の (3) コードでは Key と Issuer を appsettings.json ファイルより取得するようにしていますので、以下のように "Jwt" 要素を追加します。

{

  ・・・中略・・・

  "AllowedHosts": "*",
  "Jwt": {
    "Key": "veryVerySecretKey",
    "Issuer": "https://localhost:44330"
  }
}

"AllowedHosts": "*" の後にカンマ , を追加するのを忘れないようにしてください。Key はパスワードのようなもので任意の文字列を設定できます(16 文字以上にしないとエラーになるようです)。Issuer はサービスを行う URL にします。

(5) [Authorize] 属性を付与

自動生成された WeatherForecastController コントローラの Get() メソッドに [Authorize] 属性を付与します。using Microsoft.AspNetCore.Authorization; の追加を忘れないようにしてください。

ここまでの設定で JWT トークンベースのアクセス制限の実装は完了しており、トークンなしで WeatherForecastController コントローラの Get() メソッドを要求すると HTTP 401 Unauthorized 応答が返ってくるはずです。

(6) トークンを取得する API を実装

ユーザーの ID とパスワードを送信してトークンを取得する API を実装します。基本的には Auth0 の記事のコントローラ TokenController の通りですが、それを拡張してユーザー情報を既存の ASP.NET Core Identity のデータベースから取得して認証を行うようにしてみました。

コントローラ TokenController のコードは以下の通りです。UserManager<IdentityUser> オブジェクトへの参照を DI によって取得し、それを使って既存の ASP.NET Core Identity から情報を取得してユーザー認証に用いています。

using System;
using System.Threading.Tasks;
using Microsoft.AspNetCore.Mvc;
// 以下を追加
using Microsoft.AspNetCore.Authorization;
using Microsoft.Extensions.Configuration;
using Microsoft.IdentityModel.Tokens;
using System.IdentityModel.Tokens.Jwt;
using System.Text;
using Microsoft.AspNetCore.Identity;

namespace WebApiJwtIdentity.Controllers
{
  [Route("api/[controller]")]
  [ApiController]
  public class TokenController : ControllerBase
  {
    private readonly IConfiguration _config;
    private readonly UserManager<IdentityUser> _userManager;

    public TokenController(IConfiguration config, 
            UserManager<IdentityUser> userManager)
    {
      _config = config;
      _userManager = userManager;
    }

    [AllowAnonymous]
    [HttpPost]
    public async Task<IActionResult> CreateToken(
                                        LoginModel login)
    {
      string id = login.Username;
      string pw = login.Password;
      IActionResult response = Unauthorized();
      var user = await _userManager.FindByNameAsync(id);
      if (user != null && 
          await _userManager.CheckPasswordAsync(user, pw))
      {
        var tokenString = BuildToken();
        response = Ok(new { token = tokenString });
      }

      return response;
    }

    private string BuildToken()
    {
      var key = new SymmetricSecurityKey(
          Encoding.UTF8.GetBytes(_config["Jwt:Key"]));
      var creds = new SigningCredentials(
          key, SecurityAlgorithms.HmacSha256);

      var token = new JwtSecurityToken(
        _config["Jwt:Issuer"],
        _config["Jwt:Issuer"],
        expires: DateTime.Now.AddMinutes(30),
        signingCredentials: creds);

      return new JwtSecurityTokenHandler().
                            WriteToken(token);
    }
  }

  public class LoginModel
  {
    public string Username { get; set; }
    public string Password { get; set; }
  }
}

上記のコード以外にも以下の追加が必要です。

(a) 上の (2) の画像で青枠で囲んだ NuGet パッケージのインストール。

(b) IdentityDbContext を継承した ApplicationDbContext クラスを追加。Data フォルダを作ってそれにクラスファイルとして実装します。

using System;
using Microsoft.AspNetCore.Identity.EntityFrameworkCore;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;

namespace WebApiJwtIdentity.Data
{
    public class ApplicationDbContext : IdentityDbContext
    {
        public ApplicationDbContext(
            DbContextOptions<ApplicationDbContext> options)
            : base(options)
        {
        }
    }
}

(c) appsettings.json に ASP.NET Core Identity が使う既存の SQL Server DB への接続文字列を追加。

(d) Startup.cs に以下を追加。

// 追加
using Microsoft.AspNetCore.Identity;
using WebApiJwtIdentity.Data;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;

public void ConfigureServices(IServiceCollection services)
{
  // 追加
  services.AddDbContext<ApplicationDbContext>(options =>
    options.UseSqlServer(
      Configuration.GetConnectionString(
        "MvcCoreIdentityContextConnection")));

  // 追加
  services.AddDefaultIdentity<IdentityUser>()
    .AddEntityFrameworkStores<ApplicationDbContext>();

(7) 検証用 Home/Index ページを追加

以下は必須ではないですが、検証用の Home/Index ページを追加し、そこから jQuery ajax を使ってトークンの取得と認証が期待通りとなるかを確認してみます。

View のコードは以下のようになります。下のコードの Username と Password には "***" ではなくて有効な文字列を設定してください。このページを使って確認した結果が一番上の画像です。

@{
    Layout = null;
}

<!DOCTYPE html>

<html>
<head>
  <meta name="viewport" content="width=device-width" />
  <title>Index</title>
  <script src="~/Scripts/jquery.js"></script>
  <script type="text/javascript">
  //<![CDATA[
    var tokenKey = 'accessToken';

    function getToken() {            
      var obj = { Username : "***", Password : "***" };
      var jsonString = JSON.stringify(obj);
      $.ajax({
        type: "POST",
        url: "/api/token",
        data: jsonString,
        contentType: "application/json; charset=utf-8",
        success: function (data, textStatus, jqXHR) {
          sessionStorage.setItem(tokenKey, data.token);
        },
        error: function (jqXHR, textStatus, errorThrown) {
          $('#output').empty();
          $('#output').text('textStatus: ' + textStatus +
              ', errorThrown: ' + errorThrown);
        }
      });
    }

    function weatherForecast() {
      var token = sessionStorage.getItem(tokenKey);
      var headers = {};
      if (token) {
        headers.Authorization = 'Bearer ' + token;
      }

      $.ajax({
        type: "GET",
        url: "/WeatherForecast",
        headers: headers,
        cache: false,
        success: function (data, textStatus, jqXHR) {
          $('#output').empty();
          $.each(data, function (key, val) {
            var day = new Date(val.date);
            var dateString = day.getFullYear() + "年" +
                (day.getMonth() + 1) + "月" +
                day.getDate() + "日";
            $('#output').append(
              '<p>' + dateString + ' / ' +
              val.temperatureC + ' / ' +
              val.temperatureF + ' / ' +
              val.summary + '</p >');
          });                    
        },
        error: function (jqXHR, textStatus, errorThrown) {
          $('#output').empty();
          $('#output').text('textStatus: ' + textStatus +
              ', errorThrown: ' + errorThrown);
        }
      });
    }

  //]]>
  </script>
</head >
<body>
    <h3>Web API から jQuery ajax を使ってデータの取得</h3>

    <input type="button" id="Button1" 
      value="WeatherForecast" onclick="weatherForecast();" />
    <input type="button" id="Button2" 
      value="Get Token" onclick="getToken();" />

    <hr />
    <p>結果の表示:</p>
    <div id="output"></div>
</body>
</html >

なお、元々のプロジェクトの設定が Web API 用ですので、そのままでは MVC 用の Controller と View は動きませんので注意してください。以下の設定が必要になります。

(a) Startup.cs で MVC 用のサービスの追加、静的ファイルの利用を可能にすること、ルーティングのためのマップ設定。

(b) launchSettings.json で "launchUrl" の "weatherforecast" を "home/index" に変更。

(c) jQuery を利用するので wwwroot/Script/jQuery.js を追加。

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CORE

SimpleInjector を ASP.NET MVC & Web API で利用

by WebSurfer 19. October 2019 15:40

以下の画像の通り、Visual Studio Community 2015 の .NET 4.6.1 テンプレートでプロジェクトを作って、ASP.NET MVC と Web API の両方が実装された Web アプリケーションに SimpleInjector を実装してみました。

プロジェクト作成

その話を備忘録として書いておきます。元の話は Teratail のスレッド「SimpleInjectorを使って、ASP.net MVC | WebAPI の両方のコントローラーを持つWebアプリケーションを動作させたい。」です。

上にも書きましたが、プロジェクトは MVC と Web API の両方を実装しており、それらの両方の Controller に Dependency Injection (DI) を行う必要があります。さらに、ユーザー認証は「個別のユーザーアカウント」すなわち ASP.NET Identity を利用しており、自動生成される AccountController.cs の Controller にも DI を行うように設定する必要��あります。

以下に、Web API, MVC, AccountControlle の順に実装方法を書きます。

(1) Web API の Controller

ネットの記事「【連載】ASP.NET Web API を使おう:第4回 Simple Injector(DIコンテナ)を適用する」を参考に Web API 用の SimpleInjector の NuGet パッケージ「SimpleInjector.Integration.WebApi.WebHost.QuickStart」を追加します。

SimpleInjector の DI コンテナは Controller のコンストラクタが 1 つだけでないと Controller を初期化できないようで、NuGet の適用で自動生成される SimpleInjectorWebApiInitializer クラスの container.Verify() メソッドでそれをチェックしています。

実際、上のテンプレートで自動生成される AccountController には 2 つコンストラクタが定義されているので、そのままでは container.Verify() でエラーになります。

とりあえずは認証は使わくても Web API の Controller への DI の実装はできますので、AccountController の引数のある方のコンストラクタをコメントアウトすると container.Verify() は通りますのでそうしておきます。

上に紹介したネットの記事のように実装すると、Web API の Controller の初期化の際、DI コンテナが EmployeeRepository クラスを初期化して、Controller のコンストラクタに設定した IEmployeeRepository 型の引数を通じて渡します。すなわち、Inject する Dependency というのは EmployeeRepository クラスのインスタンスということになります。(DI の Dependency を「依存性」と訳すのは誤訳かも)

以上の設定で、ブラウザから jQuery ajax などで API を呼び出せば、期待した応答が返ってきます。

ここまでは、Web API に SimpleInjector を追加しただけです。MVC に追加するにはどうするかというのを次に書きます。

(1) MVC の Controller

MVC の場合も、上記の Web API と同様、Controller の初期化の際、DI コンテナが EmployeeRepository クラスを初期化して、Controller のコンストラクタに設定した IEmployeeRepository 型の引数を通じて渡せるようにしてみます。

まず、SimpleInjector の設定ですが、それについては stackoverflow の記事「Simple Injector initialize for both MVC and Web API controllers」に以下の記述がありました。

"we should use both .RegisterMvcControllers() and RegisterWebApiControlers() as well as both System.Web.Mvc.DependencyResolver(new SimpleInjectorDependencyResolver(container)) and GlobalConfiguration.Configuration.DependencyResolver(new SimpleInjectorWebApiDependencyResolver(container))"

具体的にどのようにしたかと言うと:

  1. まず、NuGet パッケージの SimpleInjector.Integration.Web.Mvc を追加インストール。
  2. 上の stacloverflow の記事を参考に、Web API 用に自動生成済みの SimpleInjectorWebApiInitializer に MVC 用の container.RegisterMvcControllers(...) と DependencyResolver.SetResolver(...) を追加。
  3. container.Options の DefaultScopedLifestyle の設定を AsyncScopedLifestyle() から WebRequestLifestyle() に変更。

    (SimpleInjector サイトの記事「Async Scoped lifestyle vs. Web Request lifestyle」に書いてある通り、MVC と Web API 混合プロジェクトでは WebRequestLifestyle を使うのが正解らしい)
  4. MVC に Controller を追加し、Web API の Controller と同様に、IEmployeeRepository 型の引数を持つコンストラクタを一つだけ実装。

以上で MVC でも Web API でも SimpleInjector は動くようになりました。次は AccountController です。

(1) AccountController.cs の Controller

これの対応が問題で、一筋縄ではいきませんでした。(笑)

まず、MVC 5 template (ASP.NET Identity 2.0) combined with Simple InjectorSimple Injector with ASP.NET MVC 5 Identity 2.0 を参考に手を加えてみました。

後者の記事によると前者の記事のコードは "it’s based on an older version of Simple Injector, so some syntax changes were required." とのこと故、SimpleInjectorInitializer クラスは主に後者の記事のコードを参考にして実装しました。

しかし、上記の対応だけでは動かなくて、AccountController のコンストラクタにある ISecureDataFormat<AuthenticationTicket> 型の引数が登録されてないというエラーが出ます。

それについては、stackoverflow の記事 Simple Injector and default AccountContoller dependency issue の回答を参考に 4 行追加して対処しました。

それで 100% OK かは分かりませんが、登録・ログイン・ログアウトは問題なくできることだけは確認しました。それ以外の External Login などがどうかは未検証・未確認です。

登録・ログイン画面

上の画像の確認用の画面は、Microsoft のドキュメント「個々のアカウントと ASP.NET Web API 2.2 でのローカル ログインを使用して Web API をセキュリティで保護します」のサンプルコードから借用したものです。AcountController の API に対して jQuery ajax を利用して要求を送信し、登録・ログイン・ログアウトの操作を行います。

最後に、上記の対応済みの SimpleInjectorWebApiInitializer のコードを下に貼っておきます。

手を加える必要があるのは SimpleInjectorWebApiInitializer のコードだけではなく、MVC 5 template (ASP.NET Identity 2.0) combined with Simple Injector に書いてある通り他に何か所もありますので注意してください。

// Startup.cs で初期化するので以下の属性はコメントアウト
//[assembly: WebActivator.PostApplicationStartMethod(
//  typeof(WebApi2.App_Start.SimpleInjectorWebApiInitializer), 
//  "Initialize")]

namespace WebApi2.App_Start
{
  using System.Web.Http;
  using SimpleInjector;
  using SimpleInjector.Integration.WebApi;
  using SimpleInjector.Lifestyles;
  using WebApi2.Models;

  // MVC 用に追加
  using System.Web.Mvc;
  using SimpleInjector.Integration.Web;
  using SimpleInjector.Integration.Web.Mvc;
  using System.Reflection;

  // AccountController に Inject できるように追加
  using Microsoft.AspNet.Identity;
  using Microsoft.AspNet.Identity.EntityFramework;
  using Microsoft.AspNet.Identity.Owin;
  using Microsoft.Owin.Security.DataProtection;
  using Owin;
  using Microsoft.Owin;
  using System.Collections.Generic;
  using System.Web;
  using Microsoft.Owin.Security;
  using Microsoft.Owin.Security.DataHandler;
  using Microsoft.Owin.Security.DataHandler.Serializer;
  using Microsoft.Owin.Security.DataHandler.Encoder;

  public static class SimpleInjectorWebApiInitializer
  {
    // 自動生成された public static void Initialize() { ... }
    // は以下に差し替え。
    public static Container Initialize(IAppBuilder app)
    {
      var container = GetInitializeContainer(app);

      container.Verify();

      // Web API 用
      GlobalConfiguration.Configuration.DependencyResolver = 
        new SimpleInjectorWebApiDependencyResolver(container);

      // MVC 用
      DependencyResolver.SetResolver(
          new SimpleInjectorDependencyResolver(container));

      return container;
    }

    public static Container GetInitializeContainer(
                                             IAppBuilder app)
    {
      var container = new Container();

      container.Options.DefaultScopedLifestyle = 
          new WebRequestLifestyle();

      container.RegisterInstance(app);

      container.Register<ApplicationUserManager>(
                                            Lifestyle.Scoped);

      // 接続文字列名は "DefaultConnection" で固定したので不要
      container.Register(
          () => new ApplicationDbContext(), Lifestyle.Scoped);

      container.Register<IUserStore<ApplicationUser>>(
          () => new UserStore<ApplicationUser>(
              container.GetInstance<ApplicationDbContext>()), 
          Lifestyle.Scoped);

      container.RegisterInitializer<ApplicationUserManager>(
          manager => InitializeUserManager(manager, app));

      // SignInManager は使ってないのでコメントアウト
      //container.Register<SignInManager<ApplicationUser,string>, 
      //    ApplicationSignInManager>(Lifestyle.Scoped);

      container.Register(
          () => container.IsVerifying ? 
              new OwinContext(new Dictionary<string, object>()).
                        Authentication
              : 
              HttpContext.Current.GetOwinContext().
                  Authentication, 
          Lifestyle.Scoped);

      InitializeContainer(container);

      // Web API 用
      container.RegisterWebApiControllers(
                GlobalConfiguration.Configuration);

      // MVC 用
      container.RegisterMvcControllers(
                Assembly.GetExecutingAssembly());

      return container;
    }

    private static void InitializeUserManager(
            ApplicationUserManager manager, IAppBuilder app)
    {
      manager.UserValidator = 
          new UserValidator<ApplicationUser>(manager)
      {
        AllowOnlyAlphanumericUserNames = false,
        RequireUniqueEmail = true
      };

      // Configure validation logic for passwords
      manager.PasswordValidator = new PasswordValidator
      {
        RequiredLength = 6,
        RequireNonLetterOrDigit = true,
        RequireDigit = true,
        RequireLowercase = true,
        RequireUppercase = true,
      };

      var dataProtectionProvider = 
                app.GetDataProtectionProvider();

      if (dataProtectionProvider != null)
      {
        manager.UserTokenProvider = 
            new DataProtectorTokenProvider<ApplicationUser>(
                dataProtectionProvider.Create(
                    "ASP.NET Identity"));
      }
    }

    private static void InitializeContainer(Container container)
    {
      // AccountController のコンストラクタの引数の
      // ISecureDataFormat<AuthenticationTicket> 型の登録

      container.Register<ISecureDataFormat<AuthenticationTicket>, 
        SecureDataFormat<AuthenticationTicket>>(Lifestyle.Scoped);

      container.Register<IDataSerializer<AuthenticationTicket>,
          TicketSerializer>(Lifestyle.Scoped);

      container.Register<ITextEncoder, Base64UrlTextEncoder>(
                                               Lifestyle.Scoped);

      container.Register<IDataProtector>(() =>
          new DpapiDataProtectionProvider().
              Create("ASP.NET Identity"), Lifestyle.Scoped);

      // 以下は自分でコーディングした MVC と Web API の
      // Controller に注入するためのもの
      container.Register<IEmployeeRepository, EmployeeRepository>
          (Lifestyle.Scoped);            
    }
  }
}

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Web API

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2010年5月にこのブログを立ち上げました。その後 ブログ2 を追加し、ここは ASP.NET 関係のトピックス、ブログ2はそれ以外のトピックスに分けました。

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