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固定長パラメータの LIKE 比較

by WebSurfer 2010年9月3日 22:35

Transact-SQL の LIKE 句を使用して文字列の比較を行うときは、パターン文字列と比較対象文字列の中の空白の取り扱いに注意が必要です。

詳しくは MSDN ライブラリの LIKE (Transact-SQL) を見てもらうとして、ここでは ADO.NET や Visual Studio のウィザードで作る TableAdapter を利用する場合の注意事項を、例をあげて書いておきます。

例として、SQL Server DB に TestTable という名前のテーブルがあり、以下のフィールドを持っているとします。

FieldA  nchar(5)
FieldB  nchar(20)

TeatTable は以下の内容になっています。(下の画像では TestTable2 になっていますが、気にしないでください。(笑))

TeatTable の内容

この Table を、以下の SELECT クエリを用いて、FieldA の 前 2 文字を指定して検索を行うとします。

SELECT FieldA, FieldB
FROM   TestTable
WHERE  (FieldA LIKE @FieldA + N'%')

まず、Visual Studio のウィザードを利用して、上記の SELECT クエリをベースに型付 DataSet + TableAdapter を作ります。デザイン画面で見ると、以下のようになります。

型付 DataSet + TableAdapter

TableAdapter 作成された GetData メソッドを使って、その引数を "01" としてデータを抽出してみます。

結果は "01" しか抽出されません。FieldA = "01" で、"01", "01111", "012", "01234", "01457" がマッチするように思えますが、"01" しか抽出されないのは何故でしょう?

理由は以下のとおりです。

自動生成される TableAdapter のコードは、nchar(5) の場合、パラメータの追加部分は以下のようになります。

this._commandCollection[0].Parameters.Add(
  new global::System.Data.SqlClient.SqlParameter(
    "@FieldA", global::System.Data.SqlDbType.NChar, 5, 
    global::System.Data.ParameterDirection.Input, 0, 0, 
    "FieldA", global::System.Data.DataRowVersion.Current, 
    false, null, "", "", ""
  )
);

この ... SqlDbType.NChar, 5, ... というところが問題のようです。SqlParameter.Size に 5 が設定されるので、FieldA = "01" の場合、クエリは LIKE '01   %'(01 と % の間に 3 文字空白)となって、"01"(実際は 01 の後に空白 3 文字あり) 以外はマッチしないということのようです。

MSDN ライブラリの SqlParameter.Size プロパティ の解説には "固定長データ型では、Size の値は無視されます。" と書いてあったんですが・・・

解決策は以下のとおりです。

  1. FieldA の型を変更できるのであれば、nchar(5) を nvarchar(5) に変更して、型付 DataSet + TableAdapter を作り直す。
  2. FieldA の型を変更できなければ、ウィザードベースで GetData メソッドを作るのは諦めて、自力でコードを書いて TableAdapter を拡張する。

上記 2 ですが、パラメータの追加の部分を以下のようにすると期待通りの結果になります。自力で書くのは面倒だからといって、自動生成されたコードを書き直すと、思わぬところで不具合を生じる可能性がありますので止めた方がいいです。

command1.Parameters.Add(
  new SqlParameter("@FieldA", SqlDbType.NChar));
command1.Parameters["@FieldA"].Value = "01";

または、

command1.Parameters.AddWithValue("@FieldA", "01");

なお、先の記事 SqlParameter の Size 指定 で、長さ(SqlParameter.Size)の指定は 0 が良いと書きましたが、それは今回のケースでも当てはまっていました。以下のようにしても OK です。

command1.Parameters.Add(
  new SqlParameter("@FieldA", SqlDbType.NChar, 0, "FieldA"));
command1.Parameters["@FieldA"].Value = "01";

------------ 2010/9/4 追記 ------------

パターン文字列の生成に使う型(パラメータ設定のデータ型)と比較対象文字列の型(テーブル定義のデータ型)を合わせる必要はないということに気がつきました。

パラメータ設定で SqlDbType.NChar を SqlDbType.NVarChar に変更しても OK です。すなわち以下のようにすれば、nvarchar(5) で文字列を組み立てるので、パターン文字列は '01%' となるはずです。

command1.Parameters.Add(
  new SqlParameter("@FieldA", SqlDbType.NVarChar, 5, "FieldA"));
command1.Parameters["@FieldA"].Value = "01";

要するに、パラメータ設定で、SqlDbType.NChar とすると MSDN ライブラリの LIKE (Transact-SQL) の解説のセクションにある 2 つの SQL の前者、SqlDbType.NVarChar とすると後者のようになるということのようです。

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ADO.NET

接続文字列の取得方法

by WebSurfer 2010年7月30日 12:36

SQL Server などの接続文字列は、ソース中にハードコーディングせず、Web アプリなら web.config ファイルに、Windows アプリなら Settings.settings ファイルに格納しておき、そこから取得します。

その接続文字列を取得するコードは以下のようになります。

Web アプリケーション

string connectionString = 
  ConfigurationManager.ConnectionStrings["MyDB"].ConnectionString;

Windows アプリケーション

string connectionString = 
  Properties.Settings.Default.MyDB;

上記で、MyDB は接続文字列を定義する際に自ら名づけた名前で、当然任意に別名をつけることができます。例えば MyDB と名づけると、web.config, Settings.settings ファイルの中では以下のようになります。

web.config

<connectionStrings>
  <add name="MyDB"
       connectionString="Data Source= ..."
       providerName="System.Data.SqlClient" />
</connectionStrings>

Settings.settings

<Settings>
  <Setting Name="MyDB" Type="(Connection string)" Scope="Application">

  ・・・中略・・・

  </Setting>
</Settings>

正確に憶えていないので、その度に昔のコードを調べるという面倒なことをしていましたが、自分のブログの索引からも見つけられるように書いておきました。

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ADO.NET

SqlParameter の Size 指定

by WebSurfer 2010年7月29日 12:26

SqlParameter を SqlParameterCollection に追加する際、SqlParameterCollection.Add メソッドを使って以下のように設定することがよくあると思います。

command.Parameters.Add("@CustomerID", SqlDbType.NChar, 5, "CustomerID");
command.Parameters.Add("@CompanyName", SqlDbType.NVarChar, 40, "CompanyName");

この時、3 つめの引数の SqlParameter.Size プロパティの値はどのようにすべきでしょうか? 例えば、フィールドの定義が nchar(5) だったら、上記のように 5 にすべきでしょうか? SqlDbType.Int だったら 4 にすべきでしょうか?

個人的には、特に必要がない限り 0 に統一しておくのがよいと思います。理由は以下のとおりです。

  • 固定長データ型では、Size の値は無視される。
  • 可変長データ型では、Size はサーバーに送信するデータの最大量を示す。ただし、0 の場合は制限しない。

「0 の場合は制限しない」というところが要注意です。MSDN ライブラリにはそのことは書いてありませんが、検証して確認しました。また、自動生成される TableAdapter のコードの中では、可変長データ型のデータも含めてすべて 0 が使われていますので、間違いないと思います。

わざわざ調べて意味のない(どのみち無視される)情報を書いたり、場合によっては不適切な値を書いたり、必要がある場合と見分けがつかなくなったり・・・というのは、どう考えても面白くないですよね?

通常 0 を使うと決めておけば、0 以外の数字が入っている時はそれなりの意味がある(設定する必要があるので数字が入っている)ということがすぐ分かります。

ただし、固定長データ型で情報として利用するとか、可変長データ型でサーバーに送信する文字数を切り詰めるなど、値を指定することに意味があるケースもあるようです。

詳しくは、MSDN ライブラリの SqlParameter.Size プロパティ を参照してください。(リンク先は .NET 3.0 のものです。.NET 4.0 は若干書いてあることが違います。仕様が変わったのかどうかは不明(未調査)です。)

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ADO.NET

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2010年5月にこのブログを立ち上げました。主に ASP.NET Web アプリ関係の記事です。

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